暁 〜小説投稿サイト〜
とある六位の火竜<サラマンダー>
学舎の園
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にするのに必死で声も出せないようだ。それも仕方ないことなのか。佐天の顔には大きな黒いカモメが飛んでいた。はっきり言えば両の眉毛がペンで太くされ、つなげられていたのだ。それを見て2人は笑いをこらえきれなかった。

「も、もうダメ!アハハハハハハ!なにこの眉毛!」
「笑っちゃダメだって神谷……ふふっ」
「松野さんも笑ってるじゃないですか……」

あきれる御坂や白井、初春の前で2人の笑いが収まるまで多少の時間を要した。





「目に見えない能力者ねぇ……」
「最初は光学操作系の能力者を疑ったのですが……」
「そ、それなら監視カメラには映らない。カメラに人影は映ってるんだろ?……ふう、落ち着いた。」
「いつまで笑ってるんですか、もう……。それに完全に姿を消せる能力者の全員にアリバイがあります。」

ようやく笑いが収まってきた蓮を交えて、全能力者の能力の情報が載せられているサイト『書庫』<バンク>を見ながら話が再開される。ちなみに松野はいまだに笑いをこらえている。相当ツボに入ったらしい。と、その時初春が外を見て声を上げた。

「あ、ハト……」
「え?」
「白井さん見なかったんですか?神谷さん、見ませんでした?」
「いいや。松野も見てないだろうな。笑いこらえてたし。意識してないから気づかない……」

そこで蓮が何かに気づいたように言葉を止める。御坂も気づいたようだ。2人は目を合わせてうなづく。

「初春さん、調べてほしいことがあるんだけど。見ているという意識を阻害するみたいな能力。ない?」
「ちょっと待ってくださいね……ありました!能力名『視界阻害』<ダミーチェック>。能力者は関所中学2年、重福省帆(じゅうふくみほ)。」
「そいつですわ!!」
「落ち着け。この人レベル2だろ。」
「はい。自分の姿は完全に消せないと実験結果からも出ています。」
「書庫の情報なら間違いないね。」
「んーいい線いってると思ったんだけど……」

ようやく復活した松野も話に加わり、調べてみるが空振り。蓮もこれだと思っていたために失望感は大きいがどうにか切り替えてほかの可能性を考え出す。そこで佐天の眠るソファからうめき声が聞こえ、そちらを見ると佐天が目を覚まし、体を起こすところだった。

「ん……あたし……?」
「あ、佐天さんだいじょ……ぶっふふふ……!!」

起き上がる佐天を心配する言葉をかけようとする御坂だったが笑ってしまって失敗。全員が笑いをこらえるなか、きょとんとしていた佐天だが初春に差し出された鏡によって状況を把握。部屋に佐天の悲鳴とこらえられなくなった蓮と松野の爆笑が響いた。





「な……なっ……!!」
「佐天さん気を確かに……ふふっ……!」
「ショックだよね、そりゃあ……」
「ぷぷ
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