第五章 StrikerS編
第百三十一話 『ティアナとのお話(後編)』
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あ、あれ? どうして…」
「色々と溜まっていたのね。
あなたはお兄さんの魔法は無駄じゃなかったと証明したいという事だけを考えていたから…だから自分の中に眠っている才能に気づけなかった」
シホさんは優しい笑みを浮かべてあたしの背中をさすってくれる。
「あたしには、才能があるんですか…?」
「ええ、あるわ。
あなた自身がそれに気づけば自ずと身についてくるわ。
それになのはの教導もきっとあなたの為になる。
なのはがどうしてこんなに無茶をしない教導をするか知っている?」
「い、いえ…」
「だったらなのはに教導の意味を聞いてみなさい。
きっとなのはなら教えてくれるわ。
それにティアナはやっぱりまだ視野が狭いのよ。
もっと広げてみれば自分はみんなに支えられているんだなと思う時が来るわ。
特にあなたの相棒のスバルとか。
スバルはティアナにいつでも付き合ってくれていたでしょう?」
「はい…」
「スバルがティアナを信頼しているように、私達もティアナを信頼しているのよ」
「信頼…」
「そう、信頼されている。でなきゃフォワードのみんなもティアナの指示に的確に動いてくれるわけないわ」
「あ…」
そうだ。こんなあたしの指示にみんなは文句を言わずに今まで付き合ってくれてた。
そっか。あたしはみんなの信頼も見ぬふりをして一人で意固地になって我武者羅に踏ん張っていただけなんだ。
「どう? 思い当たるフシがあるんじゃない?」
「はい。あたしはみんなに支えられていて、そして同時にあたしがみんなを支えてあげなきゃいけない…」
「そう。それが分かれば及第点ね。ティアナには、私のように過酷な道には進んで欲しくないのよ…」
シホさんはそう言って少し儚い笑みを浮かべた。
「あの、聞いていいですか…?」
「なに…?」
「シホさん。あなたの過去に、一体なにがあったんですか…?」
「んー…そうね。しいて言えば……………一人で勝手にあがいて地獄を見てきた。
ただそれだけね。私、反面教師だから」
なんでもないようにそう笑うシホさん。
でも、それは決して誇張ではなく嘘じゃないとあたしは思った。
シホさんの表情があまりにも真剣すぎたから。
だから…、
「そうですか…ありがとうございます」
「うん。どういたしまして…それと明日の模擬戦はスターズは私が担当するから、だからティアナ達の全力を見せてきてね。
後、一つ言っておくけど…模擬戦は決して喧嘩じゃない。
己の力を誇示したい気持ちも分かるけど、習ったことを出し切らないと教えている人達に失礼だわ」
そこまで言い当てられた。
ここに来る前までにスバルと一緒に考えていた計画が一気に頭の中から霧散してしまった。
そうだ。なにを焦っていたんだ。
あたしはあたし
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