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【完結】剣製の魔法少女戦記
第五章 StrikerS編
第百三十一話  『ティアナとのお話(後編)』
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けた。

「シホさんはあたしにはない才能があるから、無いあたしを勇気つけるためにそんな事を言っているんですか?」

だとしたら余計なお世話だ。
才能がある人には敵わないんだから。

「………はぁ。そこからすでに勘違いしていたのね」
「そのようですね、シホ」
「うむ。軽い視野狭窄に陥っているようだな」

シホさんが呆れながらそう言う。
何か変なことを言ったのだろうか?

「ティアナ。一つ言っておくわ。私には魔術も魔法も武術も才能なんて無いわ」
「へ…?」

シホさんに才能がない!?
そんな、どうして!
だったらどうしてここまで強くなれるの?
『魔弾の射手』と呼ばれるようになるまでに強くなったの?
あたしが軽いショックを受けていると、

「私の師匠筋の人たちから散々言われてきたことだけどね。
私には武や魔の才能はからっきしなのよ」
「嘘、ですよね…?」
「いいえ、それは本当です」

アルトリアさんが代わりに答える。

「シホには剣術や武術の才能はありません。
あるのは積んできた経験を活かしての心眼なのです。
シホは今までに死ぬほどの努力を重ねてきて今の力を手にしてきたのです。
魔術の才能も今はかなりできますが所詮後から出来るようになった付け足しの程度。
魔法も資質に救われているだけで才能はありません」
「そんな…才能がないんですか? シホさんは…」
「ええ。私の誇れることといったらそれこそ弓だけで一直線に飛ぶだけでティアナみたいに精密にコントロールはできないから。
武術に関しても死ぬほどの努力を重ねてやっと二流の限界分を収めただけだもの。
つまり私はどこまで言っても二流どまりで決して一流にはなれない運命なの。
まぁ、そう言っても大抵の人は信じてくれないけどね」

そう言ってシホさんは苦笑いを浮かべる。

「でも、私に比べてティアナには才能がある。
あなたの精密な射撃と視野を広く持ってセンターガードでみんなに指示を出せる人が才能がない?
そんな訳ないわ。
ティアナは才能に溢れている。
周りがどんなに才能に溢れている人ばかりでもティアナはティアナよ。
そして想像してみて? イメージするのは常に最強の自分を…」
「最強の自分…」
「そう、外敵なんて関係ないの。
常に最強の自分をイメージしていればどんな困難な事態になっても心を貫ける。
ティアナが常に戦う相手とは自分自身のイメージに他ならないんだから。
だから、あなたは自身だけを見ていればいいの。
他人の芝生なんて羨まなくていいの。
しっかりとした才能があなたの中には確かにあるんだから…」

そう、シホさんはあたしの腕を買ってくれている。
それがどんなに嬉しいことか、あたしは自然と涙を流していた。


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