第五話「クロプシュトック侯事件 」
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第五話 クロプシュトック侯事件
『フェザーン制圧から約半年が経過した頃、ヤン・ウェンリー指揮する同盟軍第13艦隊がハイネセンを発進した。ところが帝国では皇帝フリードリヒ4世を驚愕せしめる事態が発生していた。クロプシュトック侯爵が反乱を起こしたのである。
クロプシュトック公爵家は先帝オトフリートの治世には権勢を誇った一族だったがフリードリヒ4世の弟クレメンツに組したためにフリードリヒ4世即位の後には事実上の反逆者として門閥貴族達からは一切の交流を絶たれていた。そのクロプシュトック侯爵がフリードリヒ4世の元で専横を振るい始めているブラウンシュバイク・リッテンハイム家の討伐を宣言して軍事行動を起こしたのである。』
ノイエ・サンスーシ宮殿 フリードリヒ4世
原作ではクロプシュトック侯爵は反乱は起こさない。すっかり爺さんになったころブラウンシュバイクを爆殺しようと試みるも失敗。討伐される。この世界でのクロプシュトック侯爵はまだ30代。
そのクロプシュトックがブラウンシュバイク・リッテンハイムに対して軍事行動を起こしたととリヒテンラーデ侯爵から報告を受けている。帝国軍三長官のうち軍務尚書と統帥本部総長も同席している。
「クロプシュトック公爵領の物流をや情報量、そして私兵艦隊の訓練などから軍事行動が疑われておりました。公式には私兵艦隊の訓練として帝国府にも届け出が御座いましたので通常の私兵艦隊の訓練と思い注意を払っておりませんでした。誠に申し訳御座いません。」
ただの反乱か?地球教の謀略じゃないか?タイミングが良すぎる。
「軍務尚書よ。クロプシュトックの裏に旧フェザーンの勢力がいるという可能性はあるか?叛徒共の新設されたばかりの艦隊が行方をくらましておる。十中八九イゼルローン要塞に迫るであろう。同時期にクロプシュトックが反乱を起こすなどタイミングが良すぎるのではないか?」
「御賢察の通りかと存じます。証拠は御座いませんがタイミングから言って旧フェザーンの謀略でありましょう。あるいはクロプシュトックの反乱は陽動で陛下暗殺が目的やもしれません。ご身辺にはご注意ください。」
「うむ。すでにオフレッサー近衛兵総監にノイエ・サンスーシ宮殿の守りを固めさせておる。」
「リヒテンラーデ侯よ。ブラウンシュバイク公にクロプシュトック討伐を命じる。リッテンハイムには帝都防衛を命じよ。」
「恐れながら陛下。ブラウンシュバイク公の専横を助長いたしますぞ。」
「構わぬ。叛徒共との停戦協定が結ばれたらどのみち私利私欲のために専横を振るう門閥貴族は潰す。クロプシュトックとブラウンシュバイクには潰し合いをさせよ。」
「軍務尚書と統帥本部総長はクロプシュトックとフェザーンの関与を探れ。この一件、想像以上に根が深そうだ。」
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