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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第02話
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ーハンを口に入れる。
「ど、どうだ……?」
箒が心配そうに俊吾に聞いた。
あ…………味がしない!!!無味無臭じゃないか!あ、匂いはする、すげぇスパイス効いたような超美味しそうな匂いが!だからこそ、驚いているんだが。
というか、何で篠ノ之さんが俺に料理作ってくれたのか何となく分かった。これ、絶対練習中だ。俺、実験台だ。
よし、大体目的は分かった。大方、一夏に作ろうと思っていたのだろう。一夏にこれを食べさせるのも面白いが、やめておこう。
ちゃんと、改善点を教えよう。だけど、ストレートに味がしない、なんて言えるほど俺に度胸はない。ということで、遠回しに味を濃くしようと言うか。
この間、3秒である。
「うん、美味しい。けど、ちょっと味が薄いかな」
こんな感じでどうだ?
「そうか、味が薄いか……」
少し、考えるように箒はそう言った。
あんな、真剣な顔をするってことは一夏に作る為の試作の線が有力そうだな。まぁ、腹は膨れるからさっさと食べよう。
数分後、俊吾はチャーハンを完食していた。
「御馳走様でした」
味はしないが食欲はそそられる、という不思議なチャーハンだった。
「……悪いな、失敗作を食べさせたみたいで」
みたいって言うか、完全に試作品という名の失敗作を食べさせられたよね。腹が膨れたから文句は言わないが。
「いやいや、食べさせてもらっただけで俺は十分だよ」
「そうか?」
「そうだよ」
俊吾がそう言うと、箒少し安心したような顔をした。
「それじゃあ、私はこれを洗ってくる」
そう言って箒は立ち上がった。
「俺が洗うよ」
「いや、だが…………」
失敗作を食べさせたという変な引け目を感じているのだろう、箒は迷っていた。
「作ってもらったから洗い物ぐらいはするよ」
俊吾は立ち上がってさっさとプレートを持った。
「それに、そろそろ部屋に戻らないと先生にどやされるんじゃない?」
時刻は9時過ぎ9時30分を指していた。
この学校の寮は、9時半には部屋に戻り10時過ぎには消灯時間となる。だが、10時を過ぎた時点で部屋に入れば、起きていても問題はない。11時を過ぎた語りから起きていると注意されるといった感じだ。
「それだと、お前も怒られるんじゃないのか?」
「俺は大丈夫だよ。バレないように移動するのは慣れてるし。ほら、早く戻りなよ」
俊吾がそう言うと、渋々部屋に戻っていった。
「さて、さっさと洗って戻ろうか」
俊吾は洗い物を始めた。
◇ ◆ ◇ ◆
「ふ〜、バレずに戻れた……」
何とか無事に部屋に着くことができた、俊吾。部屋に入ると、既に一夏が戻っていた。
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