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『曹徳の奮闘記』改訂版
第九十六話
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策は貴女が上だったわね」

「いや……妾のは運が良かったに過ぎないのじゃ。全体的に上は貴女じゃ曹操」

 美羽は曹操にそう言っておいた。

「安心なされ。貴女以下、魏軍の命は尊重致すのじゃ」

「それは安心したわ。そして貴女は代わりに対価を求める……違うかしら?」

「ハハハ、バレたのなら仕方ない。妾の下とは言わぬ。妾に力を貸してほしいのじゃ」

「理由は?」

「……漢朝の再興……ではなく、新しく王朝を建国したいのじゃ」

「へぇ……」

「劉協陛下と話し合ったのじゃが……やはり国は必要じゃからな。まぁその分、劉協陛下には王の役割をやってもらうのじゃが……」

「そのために私が必要だと?」

「そうじゃ」

「……フフ、大層な妄想ね」

「長門が描いておるいやらしい妄想よりかはマシじゃな」

「ちょッ!?」

 美羽のまさかの言葉に俺が驚く。そして夏候淵は何故俺を睨むんだ?

「でもね袁術……そんな妄想も悪くはないと思うわよ」

 曹操は立ち上がって美羽に手を差し出した。

「良いわ。協力してあげましょう」

「うむ、ありがとうなのじゃ曹操」

 そして両者は握手をするのであった。

「……問題は他にもあるのじゃがな……」

「……蜀の事かしら?」

「うむ、あやつらは何を企んでいるか分からないのじゃ」

 両者はそのような話をしていたが、取りあえずは健業へ帰還する事になった……のだが……。

「ゴホゴホッ!!」

「ど、どうした七乃?」

「どうしたんですか桜花様?」

「霞様どうしたの?」

 帰還途中、七乃と桜花、霞の三人が体調を崩したのだ。

 三人とも吐き気や嘔吐、匂いに敏感らしいのだけど……これまでまさか……。



――健業、玉座――

「美羽様」

「おぉ、どうじゃな体調は?」

 七乃達三人が玉座に皆を集めていた。ちなみに曹操達もいる。

「はい、今のところは大丈夫です」

「しかし……体調を崩したのは何だったんだ?」

 焔耶はそう呟くが……俺はとても嫌な予感をしていた。

「えぇ。つわりだったので」

『……はい?』

 七乃の言葉に玉座にいた全員が同じ言葉を発した。

「実はですね……私達、妊娠していました♪」

『……何ィィィーーーッ!?』

 七乃の言葉に皆が叫んだ。

「に、に、に、に、妊娠……」

「あら〜♪おめでたい事ね。これは飲むべきね」

「私も同伴しましょう」

「さ、三人も……」

「と、取りあえず相手は誰なの?」

 皆が思い思いに言葉を呟く中、蓮華が七乃に聞いてきた。

「そ・れ・は・で・す・ね〜♪」

 
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