第五十八話
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コンの提案に、確認こそしていないが恐らく金がない俺には、特に断る必要性は感じられなかった。
「それは助かる。……ああそれと、フレンド登録してもらって構わないか?」
この人の良い小柄な少年――の姿をしているだけかも知れないが――に、この世界の情報を教えてもらう為には、やはりフレンド登録するのが一番手っ取り早いだろう。レコンもリーファも戦いを見る限りベテランなようだし、この世界のことを良く知っていることだろう……戦友たる彼女らに、秘密を抱えながらフレンド登録するのも気が引けるが。
「うん、こっちから頼みたいぐらいだよ」
レコンは俺とフレンド登録の申請をしつつ、この船型宿泊施設の申請も済ましたようで、NPCに連れられて部屋へと案内された。割り当てられた別々の部屋の前につき、部屋の中へ入ってみようとすると、隣のレコンから声をかけられた。
「明日はインするの?」
「……解らないな。だから、気にせずスイルベーンに帰っても大丈夫さ」
俺のその答えに、レコンはやや不満げな表情を浮かべていたものの、別れの挨拶を告げてお互いに部屋へと入っていった。部屋はいかにも船室といった様子で、特にこだわっているような点はない。
「ふぅ……」
一度ベッドに座って落ち着いた後、メニューから《ログアウト》ボタンを押すことにより、俺は人生で二度目となる『ログアウト』を体感したのだった。……一度目では、そんなものを味わっている暇も無かったが、どことなく不愉快な感覚だった。
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