第五十八話
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……俺のように、慣れていないと細かいコントロールが出来ないが。
要するにあの馬鹿は、少しのスピードアップと引き換えに、自分たちのアドバンテージだった重装備を取り外したのだ。
そして、回避しながらこちらもメニューを操作して――装備を解除したりはしないが――アイテムを取り出す。そのアイテムとはサラマンダーの使っている突撃槍であり、先程アイテムフォルダを確認した時に中に入り込んでいた武器だ。
どうやら倒した敵のアイテムの何割かを、手に入れることが出来るらしく、幾つか見覚えのないアイテムが紛れ込んでいた。そして幸運なことに、サラマンダーの突撃槍があったため、使い慣れないが片手剣よりはマシだと装備した。
「使い方は……このまま突っ込むのみ!」
……あまりあのサラマンダーのことを、馬鹿とは言えない使い方だが、事実そうなのだから仕方がない。俺とサラマンダー、二つの突撃槍が交差することになり――
――俺の突撃槍は、敵のサラマンダーの胸を貫いていた。
重装備であったならば耐えられただろうに、わざわざ装備を解除するものだから、サラマンダーはそのまま墜落していった。地上でエンドフレイムに焼かれ、リメインライトになることだろう。
「うわぁぁぁっ!」
馬鹿の末路を見届ける暇もなく、大空に響いた悲鳴の方向を見ると、レコンが例の炎の渦に巻き込まれていた。クリティカルヒットではないらしいのは幸いだが、翼が狙われたらしくその翼は焼き焦げとしまい、羽ばたけずにそのまま大地に墜落する運命となる。
「レコン!」
リーファの悲痛な叫びとともに、レコンは墜落していく。彼女はレコンと戦っていたサラマンダーと戦っているため、彼を助けに行くことは出来ない。
「こなくそっ!」
戦利品の突撃槍を地上にいるサラマンダーに牽制に投げつけ、俺はレコンの墜落地点へと飛翔していく。重力が乗ったレコンは流石に重く、地面スレスレでキャッチをすることに成功した。
「あ、ありがとう……」
小柄なレコンを抱きかかえるようにキャッチして少し飛び立ち、投げ槍の要領で放った突撃槍が、魔法使いのサラマンダーに当たっていることを確認する。確かに牽制とはいえ当てるつもりだったが、思いの外良い当たりだったらしく、魔法使いは隠れずにダメージを受けていた。
こうなればやるべきことはただ一つ。
「リーファ、魔法使いがダメージを受けてる間に二手に別れて逃げよう!」
「……分かった、レコンを頼んだわよ!」
リーファと俺は同時にその翼を展開し、弦楽器のような音を鳴らしながら、逆方向に飛び去っていく。リーファと戦っていたサラマンダーは、木に隠れて俺たちが見えなかったのだろう、そのままリーファを追っていく。
「レコ
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