第五十八話
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バラバラに避けると、炎の渦は散開した俺たちの中心を通り抜けていく。だがその隙を突いて、サラマンダーが突撃槍を振りかざし、俺とレコンの前に立ちはだかった。
「レコン、ショウキくん! ……くっ!?」
天へと駆け抜けていった炎の渦は消え去ったが、その残滓が数匹の炎の蛇となってリーファを襲った。リーファにとってその程度は、足止めにしかならないようだが、その足止めが彼らの目的だろう。
三人のシルフの中で一番戦力があるリーファを魔法で足止めし、戦力で劣るレコンと俺を重装備のサラマンダーが倒す。そして地上にいるサラマンダーは再び姿を隠し、リーファを足止めしつつ、魔法を叩き込むチャンスを伺っているのだろう。
これ以上考えている暇などなく、重装備サラマンダーの突撃槍が俺に迫り来ることになり、俺は大きく翼を瞬かせて回避する。細かいコントロールに慣れていない分、スピードはあるため回避は容易なものの、俺には重装備サラマンダーを倒す方法がない。
俺に残された武器は、消滅寸前の耐久値しかない片手剣と、俺の持ち得る『技術』として使い慣れている蹴り程度。蹴りはまだ使えるが、重装備サラマンダーのHPを削りきる威力はなく、もはや初期装備の片手剣は論外だ。
相手が油断してくれていればその限りではないのだが、サラマンダーを二人倒した俺に対し、サラマンダーは油断なく突撃槍を構えている。強いて言えば、攻撃が当たらないことに業を煮やしているようだが、そこを突けるかどうか。
しかしこのままでは、地上にいるサラマンダーからの炎の渦に巻き込まれることは必須。覚悟を決めて片手剣を振りかざし、サラマンダーの攻撃に備えた。
「さあ、来い……!」
狙うべきはサラマンダーが突撃して来た時のカウンター。突撃槍はその特性上、突撃する時は強力なものの、それ以外に用いることは出来ない武器。
……だが俺が『待ち』の態勢をとっているからか、サラマンダーはなかなか攻撃して来ない。かといってこちらも待つしかなく、しばしの時が流れると、サラマンダーの背後から幾つかのモンスターが現れた。
一つ目の翼が生えた化物で、サラマンダーを無視してこちらに突っ込んでくると、俺のそばでじっと滞空し始めた。サラマンダーの背後から現れたにもかかわらず、俺の方を襲ってくるということは、まさかこのサラマンダーの使い魔か……?
「せぇい!」
片手剣でモンスターに攻撃すると、予想に反してあっさりと倒れたが、まだまだ数は俺の回りにいた。しかし、モンスターは俺を襲ってくる様子はなく、ただそばを滞空しているだけだった。
「ショウキくん、それは追跡用の《サーチャー》って言って……今は無害よ! それより敵を……このっ、邪魔っ!」
――追跡用?
数を増やし続
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