力とは
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それを抱きしめる。きつくだが優しく抱きしめた。
千李は泣き止むとすぐに川神に帰る準備を始めた。
「なにも今日帰らずとも……」
「いや、これ以上いるともう帰るに帰れなくなりそうだから帰るわ。よっと……じゃあね三大ばあちゃん。また来るわ」
「ああ。また来なさい」
リュックを背負い踵を返したところで千李は振り返らずに三大に告げた。
「マキにも……よろしく言っといて」
それだけ告げると千李は駆けてゆく。
夕方の海の光はとても暖くみえたが、少しの寂しさも見えるような気がした。
極楽院を出た千李は1人駅に向かって駆けていた。だがある角を曲がった時1人の女の子とぶつかってしまった。
「キャッ!?」
――――やば!?
女の子は千李とぶつかったことで態勢を崩し倒れそうになるが、千李がそれをさせなかった。気を使って女の子の後ろに回るとしっかりと抱きとめた。
「ゴメン!大丈夫?」
「うん大丈夫だよ。ありがとう」
謝罪する千李に対し女の子は抱きとめてくれたことの感謝を述べた。
「いやこっちも悪かったし。本当に大丈夫?」
「うん」
女の子は大きく頷くと千李をしばらく千李を見つめていた。だが不意に声が聞こえた。
「愛ー?何やってるのはやくきなさーい」
「あ、まっておかあさん!ばいばいお姉ちゃん」
どうやら母親と一緒だったようだ。愛と呼ばれた女の子は千李に別れを告げると、そのまま母親の元へ駆けていった。
「っとこっちもそろそろ電車がヤバイ!」
千李は再度駅に向かい駆け出した。
駅に着くと千李はすぐさま電車に飛び乗る。電車に揺られながら千李は内心で別れを告げた。
――――バイバイ湘南。またくるよ。
千李の6年間の湘南での生活は幕を閉じた。
時は戻って現在風間ファミリー秘密基地にて。
「――――とまぁ私の過去の話はこんなもんかな?後は風間ファミリーに入った経緯とか色々あるけどもういい感じの時間だし、そろそろお開きにする?」
千李の話を聞いていた皆が時計を見ると既に時刻は午後7時をさしていた。
「だな。じゃあみんな連休は箱根だからな?忘れんなよう!?」
翔一が占めその日は解散となった。
帰り道、千李はすっかり寝てしまった瑠奈をおんぶしながら百代たちと歩いていた。
「姉さん?本当に言ってよかったのか?」
「まっ減るもんじゃないしねー。あっそうだ一子、百代。明日あたり買い物に付き合ってくんない?」
「あ、悪い姉さん……明日は先約があるんだ」
「私もーちょっとはずせない用事があって」
百代と一子
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