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真剣で武神の姉に恋しなさい!
力とは
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最後の方まで満面の笑顔で笑うということはなかったが、1人でいるときよりはまだマシな顔をしていた。


 
 だがある日千李たちに大きな問題が起きた。それは極楽院にはもう一つの派閥があるということだ。千李を筆頭としたグループともう1人長谷冴子という少女を筆頭にしたグループだ。

 この冴子という少女は腕っ節も強く千李よりも歳が幾分か上なのだ、なおかつ子分たちをいくらか連れている。仲良しグループという感じの千李たちとは真逆のガキ大将統率グループといった感じだ。

「アンタだよね最近結構生意気なことやってるのは」

「いきなり因縁つけられても困るんだけど?」

「うっさい!私の子分だった子達もなんかアンタの方に行っちゃう子もいるし、なんなのよまったく」

 かんしゃくを起こす冴子に千李は軽く流しながら答える。

「それはお前の管理がなってないか、またはそっち側にいるのが嫌になったんだろう」

「むー!!もういいわ!じゃあ今から決闘よ!勝った方がここのリーダーってことでいいわね!?」

 ビシッと指を刺しながら宣言する冴子に千李はげんなりとするものの、その勝負を受けることにした。

 勝負といっても千李が川神院でやっていたような武術ではなく、子供同士でよくある喧嘩である。ようは殴り合いということだ。

 2人とも一歩も引かない攻防だったものの、最後は実力差で千李が勝利をおさめることとなった。

 ちなみに三大はというとぼろぼろで帰って来た2人を見て心底楽しそうに笑っていた。

 その後2人は互いに意気投合し二つの派閥に分かれていたグループは一つになり。極楽院はよりいっそうにぎやかになった。



 そしてさらに時は流れ千李が極楽院にやってきて6年目の夏。千李は来た時より随分と丸くなった。口調も乱暴な男言葉からだんだんと女の子らしいものに変わったし、笑顔を絶やさないとてもいい子になっていた。

 しかし未だに千李の封印は解けていない。

 三大はそのことを話すべく千李を本堂に呼び出した。

「センちゃん。いよいよ最後の歳になってしまったけど……封印を解く気はあるかい?」

「封印ねー……なんかもうどうでもよくなっちゃたのよねー。だって今私はみんなと一緒にいて楽しいし」

 屈託のない笑顔で言う千李に三大は多少あきれながらも告げる。

「封印が解けなければセンちゃんはもう二度と戦うことができなくなるんだよ?」

「まぁそれでもいいかな。実際そっちの方がジジイも望んでるんじゃない?っとごめんね三大ばあちゃん。これからみんなと海に行く約束してたのよ行っていい?」

「夕飯までには帰ってきなさいね」

 三大の許しを得た千李は皆を誘い海へと繰り出した。

 その後姿を見送る
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