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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-31身躱しの服
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るが、声は上げずに(こら)える。

 ミネアが、話を続ける。

「私たちの父、錬金術師のエドガンの秘密の研究所が、西の洞窟にあるという話で。そこに行けば、魔法(まほう)(カギ)があるのではないかと」
「魔法の鍵と言うと、盗賊(とうぞく)(カギ)と比べ、より複雑な鍵の扉も開けられるという品じゃの。錬金術師であれば、簡単に作れるという話であったか。それ(ゆえ)に、盗みの疑いをかけられることを嫌って、滅多に作ったり持ち歩いたりする者はおらぬとも、聞くがの」
「さすがに、博識ですね」

 知識を披露するブライをミネアが賞賛し、マーニャが呟く。

「……だから、鍵を引きちぎってやがったのか。おかしいと思ったんだよな、んなもんがあるのに……やっぱ、おかしいな」
「何か、言うたかの?」
「こっちの話だ」

 トルネコが、話を戻す。

「そんなものがあれば、助かることは、ありそうですわね。ソレッタの南の洞窟のようなことも、あるかもしれないし。」
「それなら、蹴破ればいいだろう」
「王子。あの時もそうですが、無闇に物を破壊するのは、やめなされ。鍵があるのに、使いもしないなどと」
「なんでも蹴破れるとも限らねえだろ」
「騒ぎになると、困る場合もありますよ」
「確かに。城の壁も、一度で蹴破れた訳では無いからな。それもそうだ。しかし、今はライアン殿を探すのが先じゃないか?」
「王子」
「まあまあ、ブライさん。」

 小言を受け流したアリーナに、言い募ろうとするブライを、トルネコが宥めて止める。

 ミネアが続ける。

「それは、そうなのですが。どうも気になるので、占ってみたのです。その結果、ライアンさんに会うのに、必要になりそうだと」
「ミネアの占いは、当たるからな。あとに回したところで、どうせ取りに戻る羽目になるなら、先に取っといたほうがいいだろ」

 マーニャも口を添えるのに、アリーナが応じる。

「そうか。ふたりがそう言うなら、そうなんだろうな」
「それでは、西の洞窟に向かうのですね。ホイミンさんも、よろしいですか?」

 クリフトに気遣うように問われ、ホイミンが少し考えた後、頷く。

「……それが、ないと。ライアンさんに、会えないんだよね?……うん。大丈夫」
「洞窟に、行くのね。馬車があるし、ホイミンがいるし。洞窟に行く人と、残る人を、考えて分けないと、だめね」

 少女の懸念に、ミネアが洞窟の様子を思い出しながら答える。

「それなら。広い洞窟ですし、階層の移動が階段ではなくて、機械仕掛けになっていますから。馬車ごと入れますよ」
「そうなの。なら、大丈夫ね」
「……ちっ。今回は、留守番はなしか」
「兄さんの洞窟嫌いも、大概だね」
「まあ、いい。実際、この面子(メンツ
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