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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-31身躱しの服
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選び出す。

「これだな」
「早いね」
「こんなもんは、直感で選びゃあいいんだよ。多少見た目が違っても、そう性能が変わるってわけでも、ねえんだしよ。そこそこ派手で、()()えがすりゃ十分だ」
「派手なのは、外せないんだ」
「大事だろ、そこは」
「マーニャさんなら、なにを着ても、衣装負けはしませんからね。むしろ、衣装が負けないものを選ぶのは、正しいかもしれないわね。」
「だろ。さすが、姐御はわかってるな。ミネアも元はそう変わらねえんだから、そう地味なもんばっか選ぶこたあねえのによ」
「性格だよ。ほっといてくれよ。僕からしたら、そっちのほうが気が知れないよ」
「ミネアさんなら、なにを着ても、月並みになるということはないものね。質素な格好だと、美貌が引き立ちますわ。」
「……ありがとうございます」
「ほんと、ものは()(よう)だな」

 褒められて微妙な顔になるミネア、呆れつつも矛を収めるマーニャ。
 気にせず、話を進めるトルネコ。

「じゃあ、あとはアリーナさんのほうがよければ、支払いを済ませて。次は、港町のハバリアですわね!」
「そのことで、少しご相談が」
「あら、なにかしら。なにか、情報があったのね?」
「ええ」
「アリーナとばあさんは、どうしたんだ?妙に、疲れてるみてえだが」

 クリフトの勧めに妥協点を()()だしたアリーナとブライが、試着も済ませてやってくる。

「全く。最初から、そのようなものを選んでくだされば、ここまで言わずとも良かったものを」
「お互い様だろう。どうして、あんな極端なものばかり勧めるんだ」
「それこそ、お互い様ですな」

 まだ言い合うふたりを、トルネコが(なだ)める。

「まあまあ、おふたりとも。クリフトさんとユウちゃんのおかげで、よいものがみつかって、よかったですわね。」
「うむ。クリフトとユウちゃんの見立ては、確かじゃの。あれ程簡単に、王子が納得されるとは」
「ああ。動き易い上に、ブライが納得するようなものを選び出してくるとは。ふたりがいれば、こんな苦労をすることも無くなりそうだな」
「それはこちらが言うことですな」
「どちらが言おうと、早く済むならいいだろう」
「違い有りませんな」

 マーニャが、得心がいったように頷く。

「……大体、わかった。王子様ってのも、大変なんだな」


 すっかり憔悴しながらも、売り上げの多さになんとか立ち直った旅の商人に支払いを済ませ、改めてマーニャとミネアが宿の主人に断って場所を借り――宿の主人は同郷のふたりから金は取れないと、快く場所を提供してくれた――、今後の予定を話す。

「例のスライムが、また情報をくれまして」

 ミネアが話し始めるのに、ホイミンがぴくりと反応す
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