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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-30捜索と帰郷
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 夜は劇場や歓楽街を中心に賑わいを見せるモンバーバラの町も、日中は静けさで満ちている。

 勝手を知るマーニャとミネアが、話し合う。

「この町で話を聞き回るにゃ、夜のほうが都合がいいんだがな。嬢ちゃんたちがいるし、夜までたらたらしてる意味もねえし。とりあえず、座長んとこにでも行くか」
「ユウとホイミンには、夜のこの町は物騒だからね。座長さんなら、町の事情に詳しいし、城から僕たちの情報が回っているかどうかも、気にしてくれているかもしれないし。そうしよう」
「ふむ。モンバーバラは、歌と踊りの町、でしたな。華やかな舞台を、王子にご覧いただくのも、悪くは無いが。確かに、ユウちゃんとホイミンちゃんの教育上は、よろしくないの」

 ブライの言葉に、複雑な顔をするクリフト。

「アリーナ様に……モンバーバラの、踊り()、ですか……」

 当のアリーナは、気の無い様子で返す。

「マーニャほどの踊り手は、そうはいないだろう。特に参考になりそうもないし、別にいい」
「興味を持って頂きたいのは、そういったことでは無いのですがな」

 少女が、マーニャとミネアに向けて、問う。

「踊り手さん。たくさん、いるの?」
「いるは、いるがな……嬢ちゃんにはまだ早えっつーか……違うな」
「なにが、ちがうの?」
「劇場は夜しかやっていませんからね。子供が行くには、物騒なんですよ」
「エンドールの、カジノみたいなもの?大人が一緒でも、だめなの?」
「駄目、というわけではないんですが」

 劇場に興味を示す少女に、言い淀むミネア。

 ホイミンが、口を出す。

「ユウちゃん!世の中には、子供だから行ったらいけない場所とか、行かないほうがいい場所が、あるんだって。だから、大人になったら、行ったらいいんだよ!」

 アリーナも続ける。

「サントハイムの城にも踊り手は来ていたが、マーニャほどの者はいなかったからな。期待するほどのことは、無いかもしれないぞ」
「そう……。そうね。大人になって、それでも見たかったら、行ったらいいね。今は、ライアンさんを、探さないとね」
「そうね。まずは、用事をすませないとね!戦士さまを、さがしましょう!」

 トルネコが、話を締めるのに、マーニャが呟く。

「そこまで隠すようなもんでもねえが。舞台はともかく、客がな……。ま、時間があるときに、考えりゃいいな。とりあえず、行くか」



 マーニャとミネアの先導で、地下にある劇場のさらに奥、控え室に向かう。


 控え室にいた中年の男が、入ってきたマーニャとミネアをひと目見て、声を上げる。

「マーニャに、ミネアくんじゃないか。久しぶりだね、元気だったかい?」
「座長さん。ご無沙汰してます」
「色々あったが、まあ問題
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