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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-30捜索と帰郷
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ら。」
「マーニャほどの踊り手は、生憎(あいにく)といないが。女の踊り娘の衣装や、大人数(おおにんずう)で踊るのも、なかなかの見ものでね。それに、パノンの芸も、これがまた面白くてね。お嬢ちゃんたちにも、楽しんでもらえると思うよ。」
「そうなの。楽しみ」
「子供も、みていいんだよね?ライアンさんに会えたら、……会えたら……。あっ……」
「ホイミン?どうかした?」
「ううん、なんでもない!いつか、みられるといいね!」
「うん」

「サントハイムの、王子様ご一行ですか。これはぜひ、舞台をご覧いただかないと。特別席を、ご用意しますので。もちろん、お時間ができてからの話ですが。」
「特別席か。観るなら、普通に観たいがな」
「基本は、お忍びの旅での。我が国にしろこの国にしろ、まともに交流ができる状態では、無いしの。正式な訪問とはいかぬであろうから、大袈裟なことはせずとも良い」
「そうですか。残念ですが、仕方ありませんね。」
「時間さえできれば、舞台は観させてもらうがの」
「それは、光栄です。」
「お笑いの芸は、見たことがありませんが。楽しく笑うのも、気分転換には良さそうですね」
「そうなんですよ。お笑いがこれほどいいものとは、パノンを見るまでは、私も知りませんでしたが。あれは、一見の価値がありますよ。」


 一頻(ひとしき)り話を終え、旅立つ一行を、座長が見送る。

「みなさん。それぞれに、旅の目的はおありでしょうが。マーニャとミネアくんのふたりを、どうぞよろしくお願いします。」
「なんだよ、座長。親父みてえなこと言い出すなよ」
「ふたりの身の上を聞いていると、他人事(ひとごと)とは思えなくてね。気持ちとしては、そのようなものだよ。大変だろうが、頑張るんだよ。」
「ありがとうございます。座長さんも、お元気で」



 座長と別れ、控え室を出て、歩きながら少女が口を開く。

「座長さん。マーニャとミネアが、心配なのね。大事な、人なのね?」
「そうですね。代わりではありませんが、もうひとりの父のような人です」
「最初のときに、言ってた。それぞれが、大事な人、なのよね」
「よく覚えてますね。その通りです」
「こっちの都合で、急に来て、いる(あいだ)だけ舞台に上げてくれなんて、無理な話を通してくれてな。道端で興行するのとじゃ()()りが違うし、宿も借りられたし。あんときゃ、助かったな。座長にゃ、頭が上がらねえ」
「なかなかの人物であるようじゃったの。町の顔たる、劇場を背負って立つだけのことはある」
「ライアン殿のことは知らないということだったが。これからどうする?念のため、町を探して回るか?」

 アリーナが話を変えたのを皮切りに、次の行動を話し合う。

「座長が知らねえってんなら、いねえ
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