暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-29漂流少女
[3/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
を握り、金髪の少女は食事を
摂
(
と
)
る。
「うう……持ちやすいけど、持ちにくい……。へんなかんじ……」
「起きたばかりで、身体が
強張
(
こわば
)
ってるのかしらね。ゆっくりで、いいのよ。」
食事を終え、金髪の少女は改めて口を開く。
「……あの。さっきは、騒いで、ごめんなさい。ちょっと、その、…………びっくりして。助けてくれて、ありがとう。」
「いいのよ。無理もないわ。それで、どうしてあんなことになったのか、覚えてる?」
「えっと、ぼくは……旅をしていて。船で、戦ってるときに、海に落ちちゃって。」
「まあまあ。そうだったの。ひとり旅ということは、ないわよね。お連れの
方
(
かた
)
は、きっと心配されてるわね。どこに、向かうところだったのかしら?」
「あっ!そうだ!ぼくたち、キングレオに行くところだったの!ここは、どこですか!?」
「あらあら。大丈夫よ、落ち着いて。ここは、キングレオのある大陸だから。それなら、探せばきっと、会えるわね。」
「そうなんだ……よかった!……あの、ぼく、行かなくちゃ!お洋服とごはん、ありがとうございました!なにも返せなくてごめんなさい、もしもまた会えたら、きっとお礼をしますから!」
慌てて立ち上がろうとする金髪の少女を、トルネコがまた止める。
「あらあら。お礼なんて、そんなことはいいけれど。ここから町までも、まだ遠いのよ?どうせあたしたちも、町まで行くところなんだから。ひとりじゃ危ないわ、一緒に行きましょう。」
「で、でも」
「そうですわ。持ち物もなにもありませんでしたから、丸腰では、魔物とまともに戦うこともできませんし。仮に無事に着くことができても、無一文では身動きも取れないでしょう。ご一緒しましょう」
「そうね。少しくらい渡しておいてもいいけれど、やっぱり、女の子がひとりでは、危ないものね。」
「だけど、ぼくは」
「ひとりじゃ、危ない。あなたが、死んじゃったら。あなたの仲間が、悲しむから。今も、きっと、悲しんでる」
まだ立ち去りたそうにしていた金髪の少女が、少女の言葉にはっとする。
「わたしたちと、ずっと一緒にいたら、それも危ないけど。あなたの仲間に、会えるまで。一緒に、行こう。」
少女の言葉に心を動かされながらも、まだ迷っている様子の金髪の少女が、確認するように問いかける。
「……ほんとに。いいの?」
「うん。行こう。」
「あたしたちも、人を探しているところなのよ。ひとり探すのも、ふたり探すのも、変わらないわ。」
「そうですわ。ところで、お名前は。あなたと、お連れの
方
(
かた
)
のお名前は、なんと
仰
(
おっしゃ
)
るのですか?」
クリフトに問われ、金髪の少女が、
躊躇
(
ためら
)
いがちに、名乗る。
「ぼくの名前は……ホイミン。ぼくの仲間は、ライ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ