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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-29漂流少女
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を握り、金髪の少女は食事を()る。

「うう……持ちやすいけど、持ちにくい……。へんなかんじ……」
「起きたばかりで、身体が強張(こわば)ってるのかしらね。ゆっくりで、いいのよ。」


 食事を終え、金髪の少女は改めて口を開く。

「……あの。さっきは、騒いで、ごめんなさい。ちょっと、その、…………びっくりして。助けてくれて、ありがとう。」
「いいのよ。無理もないわ。それで、どうしてあんなことになったのか、覚えてる?」
「えっと、ぼくは……旅をしていて。船で、戦ってるときに、海に落ちちゃって。」
「まあまあ。そうだったの。ひとり旅ということは、ないわよね。お連れの(かた)は、きっと心配されてるわね。どこに、向かうところだったのかしら?」
「あっ!そうだ!ぼくたち、キングレオに行くところだったの!ここは、どこですか!?」
「あらあら。大丈夫よ、落ち着いて。ここは、キングレオのある大陸だから。それなら、探せばきっと、会えるわね。」
「そうなんだ……よかった!……あの、ぼく、行かなくちゃ!お洋服とごはん、ありがとうございました!なにも返せなくてごめんなさい、もしもまた会えたら、きっとお礼をしますから!」

 慌てて立ち上がろうとする金髪の少女を、トルネコがまた止める。

「あらあら。お礼なんて、そんなことはいいけれど。ここから町までも、まだ遠いのよ?どうせあたしたちも、町まで行くところなんだから。ひとりじゃ危ないわ、一緒に行きましょう。」
「で、でも」
「そうですわ。持ち物もなにもありませんでしたから、丸腰では、魔物とまともに戦うこともできませんし。仮に無事に着くことができても、無一文では身動きも取れないでしょう。ご一緒しましょう」
「そうね。少しくらい渡しておいてもいいけれど、やっぱり、女の子がひとりでは、危ないものね。」
「だけど、ぼくは」
「ひとりじゃ、危ない。あなたが、死んじゃったら。あなたの仲間が、悲しむから。今も、きっと、悲しんでる」

 まだ立ち去りたそうにしていた金髪の少女が、少女の言葉にはっとする。

「わたしたちと、ずっと一緒にいたら、それも危ないけど。あなたの仲間に、会えるまで。一緒に、行こう。」

 少女の言葉に心を動かされながらも、まだ迷っている様子の金髪の少女が、確認するように問いかける。

「……ほんとに。いいの?」
「うん。行こう。」
「あたしたちも、人を探しているところなのよ。ひとり探すのも、ふたり探すのも、変わらないわ。」
「そうですわ。ところで、お名前は。あなたと、お連れの(かた)のお名前は、なんと(おっしゃ)るのですか?」

 クリフトに問われ、金髪の少女が、躊躇(ためら)いがちに、名乗る。

「ぼくの名前は……ホイミン。ぼくの仲間は、ライ
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