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SeventhWrite
四日目
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校舎に入られたらどんな対策をとられるか分かったもんじゃない。
 さて、ちょっと強引にでも着いてきてもらうとするか。

「…水瀬さん、その人だぁれ?」

 と、邪魔なのが一人いたのを忘れていたよ、とりあえず先にこの子には帰ってもらわないと…水瀬?

「さぁ、あたしは知らない人だよ月村さん」 

「え?水瀬、水瀬って…君は杵島じゃ…それに月村?月村って」

 月村?あの夢に出てきた架空の幼馴染の?

「杵島…誰ですかそれは?」

 あぁ?何だその反応は、転校生は杵島一美だろう?それに月村って苗字…偶然なのか?
 僕が混乱していると、視界に校舎内へと走る彼女の姿が見えた。

 しまった。…校舎に入られた。さすがにそこまで追えば誰かに捕まるだろう。
 だとしたら………一度退くか?

「あれ、水瀬さんどこ行ったんだろう?」

 残された長髪の少女はポツリと呟いた。
 もうここにいても意味は無い、非常に腹立たしいが今日は失敗だ、しかたがない、例の人形屋敷へ向かうか。
 チャンスはまだあるはずだ。
 そしてその少女に礼を言いその場から速やかに立ち去った。そして現状をまとめる。

 一つ、僕は水瀬一美を見つけたた。
 二つ、彼女は僕を警戒している。
 三つ、学校に逃げられた事により何かしらの対策をしてくるはず。

 ……かなり不味いな、いや最悪だ。いくら会いに来ただけとはいえ彼女が僕をどう見ているかは明白だ。完全に不審者扱いだろう。僕の本名も知っているし…これはさっき無理やりにでも連れ去るべきだったのでは?
 ……いや学校前で騒ぐのは得策じゃない、目撃者もいたし……

「あぁ、もうっ!」

 なんで上手くいかないんだ!
 なにか!なにか上手くいく方法は……………ダメだ!思いつかない!!
 頭を抱えながら歩いているとあっという間に人形屋敷に着いてしまった。

 気が焦りドアを勢いよく開ける、どんな場所かあらかじめ確認しておきたい。
 果たして、それは正解だった。
 何故ならその屋敷の中には三人の人間がいたからだ。
 
「なんで?ここは無人のハズなのに…………」

 僕は驚愕した。
 外から見た限り、屋根や壁に苔が生え、ツタが伸びて明らかに誰にも手入れされていない事が明らかであり、おおよそ人が住まなくなってから十年単位が経っていると思わせるような外見なのにその中は電化製品などは見当たらないが、豪華な大広間や大きな階段のある、まるで西洋のお屋敷のような内装だった。


 「くそっ!」


 よく分かんないけど、ここにいる奴らとは関わるべきじゃない。無意識にそう感じた僕は屋敷に背を向けて走り出した。その時何か言われた気がしたけどかまわずその場から離れる。

「何なんだ?あ
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