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我が剣は愛する者の為に
守るべき者
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のある武人で父さんは文官、つまり頭で仕事をする人だったらしい。
特に母さんが凄かったらしい。
だけど、王様やその側近の考えの違いから、国を出る事に決めたらしい。
そして、この村に来て、静かに暮らす事にしたらしい。
俺は今、ボロ雑巾みたいにボロボロになって地面に大の字で倒れている。

「ほら、どうしたの?
 早く立ちなさい。」

木で出来た薙刀を軽く振り回しながら、母さんは俺に言う。
いや、無理っす。
前の世界では剣道部に入っていて、全国で優勝した事がある俺でも一本も取れない。
はっきり言って格が違う。
一応俺の中には呂布を超える才能が眠っているはずなんだけどな・・・・

「兄様、頑張ってください!!」

愛紗は俺達より少し離れた所で応援してくれていた。
近くでは父さんや他の村人の人達も見ていた。
俺と母さんの修行はもはやこの村では当たり前になっている。
村人の人達も応援してくれている。
俺は全身に力を入れて立ち上がる。
何より、妹に無様な姿を見せたくない。

「まだまだ!!」

俺は力を振り絞って木刀を持ち直し、母さんに面を打つ。
しかし、あっさり受け止められてしまう。
母さんは笑顔を浮かべて言う。

「気迫は認めるがまだまだ甘い!!!!」

そう言って俺の木刀を上に打ち上げ、渾身の一撃が俺の脇腹にヒットする。
俺はそのまま横に吹き飛び、意識を失った。




「う・・・・・・ん」

俺はゆっくりと目蓋を開ける。
その瞬間、脇腹に激痛が走る。
痛い、めっちゃ痛い。
これ絶対に折れているだろ。
俺の傍には愛紗がいて、目を覚ましたのに気がつくと声をあげる。

「あっ!
 母様、兄様が目を覚ましました!!!」

「おっ、起きたか。
 脇腹、大丈夫?」

あはは、と頭をかきながら苦笑いを浮かべて言ってきた。
俺は軽く睨みながら言う。

「めっちゃ痛いよ。」

「ごめんね。
 つい興奮して力加減を誤ってしまった。」

やばい、一気に母さんと修行したく無くなってきた。
こんなのが続くんなら命が幾つあっても足りない。
あんまり反省していないのを見た父さんは、軽く母さんの頭を殴る。

「お前はもうちょっと反省しなさい。」

「だ、だって、村の人も結構盛り上がってたし・・・・」

「母様!!
 兄様が死んだらどうするつもりですか!!」

「愛紗。
 お前は何かと兄様、兄様ってそんなに縁が好きなのかい?」

母さんがいきなり爆弾を投げてきた。

「ちょ、母さん!
 何言っているんだよ!?」

「当たり前です。
 私は兄様が大好きです。」

「「へっ?」」

思わず母さんと同じ事を言ってしまった。
愛紗はさも当た
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