プロローグ
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俺の人生が終わった・・・。
思う事はほとんどなかった。
実際、未練がある訳でもない。
俺の人生は一言で言うなら「最低」だっただろう。
クズの様な父親は俺に対していつも暴力を振るう。母親はそれを見て見ぬふりをし続ける。
学校でも似たようなものだ。周りは全ていじめっ子、または傍観者ばかりで関わりの深い者など誰一人いない。
周囲、近所も同じだ。
そんな人生を生きて来て16年目のある日、俺は死んだ・・・いや、殺された。
殺したのは両親だ。借金で首が回らなくなり、俺の保険金を狙い、
事故を装ってマンションの屋上から突き落とされた。
地面に激突し、薄れ行く意識の中
見たのは今まで生きて来た自分の人生。
感じたのは人生が終わった事への安心。
そして今、何よりも心地よかった。
こうして俺の人生は終わりを告げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うっ・・・・ん?」
どういう訳か目が覚めた。その事に俺は驚き、戸惑った。
(どうなっているんだ?俺は死んだはず何じゃ?それに此処は?)
そんな事を思いながら辺りを見回すと、そこは真っ白な世界だった。
雪景色という訳ではなく、何もない本当に真っ白な空間がずっと続いていた。
「目が覚めたみたいだね」
後ろから声がしたので振り返る。そこにはきれいな銀色の髪を腰のあたりまで伸ばした20代位の男がいた。
しかし、着ている服は汚れ、体には切り傷や火傷が無数にある。
「えっと・・・あなたは誰ですか?此処はどこですか?どうして僕は此処に居るんですか?」
「えっと、一度に何度も質問されると、困るんだ」
苦笑いしつつ頬をかく男。その頬にも火傷の跡がある
「すいません」
「別にいいよ。とりあえずさっきの質問に答えるよ。まず僕なんだけど、僕自身に名前はないんだ。だけど、君達が言うところの神って奴。そしてここは僕が作り出した空間。なぜ君がここにいるかと言うと僕が呼んだんだ」
「・・・・・。はい?」
俺は更に戸惑った。目の前にいる女性は神を名乗り、ここは彼女が作った空間で、彼女が僕をここに読んだというのだから。
「えっと・・・。どうして僕を呼んだんですか?」
「うん。僕が君に聞きたい事があるからだ。」
「聞きたい事、ですか?」
「そうなんだ。どうしても気になったからさ」
「何がですか?」
「・・・。君はなんでそんな風にいられるの?なんでそのように生きれるの?」
「はい?」
「周りからひどい仕打ちを受け、誰も助けてくれず、最後は自分の親に殺された。
と言うのになぜ悲しみや憎しみなどの感情を持たずにいられるんだ?」
ああ。そのことか。あれ?
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