プロローグ
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初
というか・・・
「やっぱり、僕は死んだんですね?」
「うん。君は確かに死んだんだ。あのマンションの屋上から突き落とされてね」
「そうですか。・・・あれ?なんでそんな事知ってるんですか?
ってそういえばあなたは神様でしたね。
そういうことは簡単にわかるんですよね」
「まあ、そういう事もあるんだけど・・・僕は君をずっと見て来た」
「見て来た?」
「うん。あれだけひどい仕打ちを長い間ずっと受けてきながら君は平然としていた。
更にそんな自分の境遇を憎む事も無く悲しむ事もなかった」
「・・・・・」
「僕も君の様な仕打ちを受けて来た。ただ周りと違う能力を持って生まれて来ただけで、
蔑まれ、酷い仕打ちを受けて来た。何度も死のうとしたけど神は死ねない。
でも、僕と違って死のうと思えば死ねた君が何故死ななかったかを僕は知りたいんだ」
「・・・・・」
「僕は知りたくなった。なぜ君はそんなに強いのか?
なぜそれほどまでに強く生きられるのか?
だから僕は君をここに連れて来たんだ」
「・・・・・」
「どうだろう?良ければ教えてくれないか?」
「・・・。神様、あなたは多分勘違いをしていますよ」
「勘違い?どういうこと?」
「僕達人間が歩んでいく人生は全てが「仕方ない」の一言で済んでしまうんです。
だから、俺は今までの出来事を全て「仕方ない」と思ってきた」
「・・・・・」
「どうせ騒いだところで何も変わらない。だったらいっその事受け入れてしまった方が楽だろう。
そう思ってただ現状を受け入れていただけですよ」
「・・・・・」
「そしてそんな事を続けていたらいつの間にかそれが普通になってしまっていた。これでわかったでしょう。
俺は貴方が思っているほど強くない。むしろ弱いです。すみません。
折角興味を持っていただいたのにそれを裏切るような事になってしまって」
「・・・・・君は凄いよ」
は?この人は何を言っているんだ?
「・・・何言ってるんですか?俺は貴方が思ってるほど凄く何かありません」
「今まで僕が会って来た人間に僕の話しを聞いて聞き返さなかったものはいない。
でも、君は聞き返してこなかった。それは、君が僕の心の痛みを知っている事になる。
そこで僕からの提案があるんだ・・・」
神様からの提案?一体何なんだ。
「一緒に別世界に行かないかい?君が良ければ話なんだけど・・・」
別世界?そんな物には興味はない。興味はないけど・・・
「前よりは、楽しいかな?」
俺は泣きながら聞く。
「勿論」
これが、俺の第二の人生のスタートラインだ
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ