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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
The PIED PIPER of HAMERUN 再開
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違いないだろ。」
どうやら、わざわざ来る必要はなかったようだ。
「ならいいや。んじゃあ、二つ目の質問に移ってもいいか?」
「どうぞ。」
「では・・・今回の魔王の軍勢って、ペスト、ヴェーザー、ラッテン、シュトロムのほかにもう一人いる?」
「ああ、いるぜ。まだ誰も会ったことのない、五人目がな。」
十六夜の返答に、一輝は予想が当たっていたことを知る。
「そいつについて、何かわかってることは?」
「あいつらには“ダンス”って呼ばれてるってことだけだ。」
「ハーメルンの伝承の中で踊りが関わってきそうなものは?」
「“ハンチントン舞踏病”って病気だな。これに感染した子供達がウイルスを広げないために、町をさったってな。」
「どんな能力か検討もつかんな。」
「ああ。だから今、黒ウサギやサラマンドラの連中が必死になってこうではないかって議論をしてる。」
「じゃあ、黒ウサギに会ったら伝えといてくれ、そいつの相手は俺がするってな。」
「勝算は?」
「もちろんある。」
十六夜が珍しく驚いたような顔をする。
「ってことは、そいつの能力のあてがあるってことか?」
「いや、予想はついても確信に至る材料はいっさいない。」
「じゃあ、どこに勝算があるんだよ。」
「別に、ただ俺が、一番多くの事態に対応できるってだけの話だ。」
「確かにそうだな・・・。了解。オマエが自信満々に言ってたって伝えとく。」
「自信満々ではない気もするが・・・よろしく。」
《まだ血も戻ってないし。》
それから、一輝がハーメルンの伝承について聞いていると、耀が目を覚ました。
「う、ん・・・十六夜に一輝?」
「お、起きたか。黒ウサギが心配してたぞ。」
「黒ウサギ、耀がペストにかかったことをそこまで気にしてたのか?」
一輝の質問に対して、十六夜がこいつ名に言ってるんだ?という顔をする。
「オマエ、ここ五日間、何も聞いてないのか?」
「ずっと部屋に閉じ込められてたから、情報が一切入ってこなかった。」
「ならしかたねえか。春日部は自分がどんな状態だったのか自覚あるか?」
「ない・・・。」
「そうか。なら言っとくが、春日部はずっと、この五日間気絶してたんだ。」
は?という顔をする一輝と、原因に気がついたのか、マズイという顔をする耀。
そんな耀の顔を見て、一輝はジトッとした目を向ける。
「耀・・・お前まさかとは思うが・・・」
「たぶん、そのまさか・・・」
一輝は頭を押さえながら、ゆっくりと立ち上がる。
そして薬を入れていた瓶を持ち上げ、確信する。
「気絶の原因でもわかったのか?」
「ああ、解ったよ。間違いなくこれだってのがな・・・」
一輝はあきれを通りこし、もう何も考えなくなった。
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