DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第三話
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思ってた」
「まさかな。俺もお前が名実ともに除名されたときに逃げ出したよ」
――――除名。
そう。清文は、日本にわたってからのしばらくの間、ボルボロの幹部に名を連ねていた。
何度かアメリカやイギリスにわたったこともあった。しかし清文はボルボロを嫌っていたので、活動にはほとんど参加せず、SAOにとらわれる前にはすでに除名処分とされていた。
「しかしすごい施設だな。何やってるんだ?」
「……見たいかい?清文」
小波がにやりと笑い、モニターの一つに向かって手をかざす。
「System call. Whatever begins monitoring the "Arufuheimu Online"」
「な……ちょっとまて、いま《アルヴヘイム・オンライン》って……」
直後、その画面によく見知ったイグドラシルシティの画像が映し出される。どうやらリアルタイム映像のようで、プレイヤー達が広場を闊歩していた。
その中に清文は、見間違えるはずもない顔を見つけた。
「―――――コハク!」
「ん?……ああ、あの娘かい?呼びかける?ここからなら彼女のIDをハッキングしてメッセージを送れるよ。肉声でね」
それはすさまじい誘惑だった。
琥珀に何も伝えないでここまで来てしまったことを、恐らく清文は一生後悔し続けるだろう。それを此処で謝ることができれば。多少の罪悪感は薄れるのではないか――――?
しかし清文は首を左右に振った。
「いや……いや、いいよ。もう、俺は……」
「そうかい?」
「ああ。……それより、あの《ALO事件》の時に陰斗を邪魔したのも、ユニークスキルをALOに反映させたのも、スルトをハッキングしたのも、グリヴィネにおかしなシステムを付与したのも……みんな、あんたらの仕業だったのか……?」
「ああ〜……かー君はきつかったねぇ。危うくこっちのバリアも崩れるところだったよ。まぁ、あれをやったのはこっちじゃなくて《ボルボロ》だけどね。それに、刹那ちゃん、だっけ?あの子の《あれ》はもともと彼女の中にあったものだよ」
それは理解し切れない話ではなかった。
陰斗はグリヴィネの不思議な性格変化を{R}や{ЯR}と呼んでいた。それは彼が、あのシステムを理解していたからに他ならない。
「スルトの剣に関してはちょっと自身があったんだけどなぁ〜。大変だったんだよ?違う世界にゲート開くの」
「ゲツガも……お前が呼んだのか」
清文はホワイト・バレットと呼ばれたあの強力なプレイヤーのことを思い出した。
「そうだよ。それだけじゃない。陰斗君のところに刹那ちゃんを送ったのも俺達さ」
小波が、初めて一人称を使った。
ついに彼女が自己を主張するのだ。
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