第九十一話
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
呪のバックアップ無しにはアレは破壊できない」
「チャンピオンもお願い。あのままではバーサーカーが望まぬ破壊をもたらしてしまう。その前に彼を座に戻してあげて」
イリヤに懇願された俺はそれに頷く。
『ロードカートリッジ』
ガシュガシュガシュガシュと残ったカートリッジをフルロード。
『ディバインバスター』
ありったけの魔力を込めた上にヒュンヒュンと辺りの魔力も食らい尽くしていく。
突き出した左手の先に銀色の輝きがあらわれる。
セイバーを見れば、彼女の持つ宝具、エクスカリバーがその姿を見せ、振り上げた剣が辺りの魔力を吸っている。それは黄金の輝きだ。
俺もセイバーもどうやらチャージは済んだらしい。あとは真名の開放と共に撃ち出すだけだ。
「ディバイーン」
「エクス…」
「バスターーーーっ!」
「カリバーーーーーっ!」
銀と金の閃光がバーサーカーを飲み込み、後ろの孔を跡形も無く吹き飛ばした。
その輝きは朝日が昇らぬ前に一瞬冬木市を明るく染めたほどだった。
二騎のサーヴァントの必殺技を受け、この世界に出現した聖杯は完膚なきまでに破壊され、こうして聖杯戦争は幕を閉じる。
聖杯を得られなかったセイバーは次の戦場に向かい、俺もカートリッジと体内魔力の全てを使い切ったために現界はそろそろ難しい。
単独行動Aのお陰かまだ現界できているが、それも時間の問題だろう。
「いっちゃうの?チャンピオン…」
「ああ。
イリヤを守る。それが俺に課せられた呪いだったからね。最後はちょっとミスしたけど、イリヤを守り、聖杯戦争を終えた。もうここに留まる理由も無いだろう」
「まだ不十分よ。わたしはまだあなたに守ってもらわないと生きていけない。知ってる?魔術師の世界は結構黒いのよ。このままだと聖杯であったわたしは何処かの研究所に連れて行かれるかもしれないわ。アインツベルンが守ってくれるなんてのも期待できない。あそこは暗くて寒い所だもの。そこに住んでいる人たちの心も凍っているわ」
映画だけじゃ分からない世界の情勢の話か。そう言われれば確かにそうなのかもしれない。利己的な考えで聖杯戦争なんて物をやってのける魔術師達だ。聖杯の器であったイリヤの存在は目の前にぶら下がったにんじんだろうし、アインツベルンでもそれは同じ。このままでは彼女に明るい未来は無い。
強い力を…それこそ魔術師など一蹴できる奴が彼女を庇護しなければ彼女の安全は保障されない。だが…
「ねぇ、チャンピオン。わたしと契約して。後数年わたしを守ってくれるだけでいいの。それ以上はどうせ…」
どうせ、何だろう?何が言いたいんだ?
「どうしても俺達が必要?」
「うん…どうしても必要だわ」
数年など今ま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ