第九十一話
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の宝具の山を振るわない事で証明されている。
彼の強みはその宝具の乱射にある。物量と高威力攻撃でもって相手を殲滅するタイプなのだ。
逆に剣の打ち合いでは他の英霊に一歩劣るし、ギルガメッシュ自身も好まないようだ。
ならば付け込むならばそこだろう。
すぐさま二発目のカートリッジをロードする。
「シルバーアーム・ザ・リッパー」
鋼鉄の神すら切裂く輝く腕を行使する。それは右手に持ったソルの刀身を覆い、彼女に全てを断ち斬る権能をもたらせる。
パチンと指を鳴らすと、それが合図であったようで、背後の無数の刀剣が撃ち出される。
撃ちだされたそれは夜空に振る流星のように輝き、地面へと向かって走り、俺へとその刃を向けた。
全力戦闘はこれで最後だろうが、もしかしたら聖杯を破壊する事も考えなくてはならず、カートリッジは最低でも6本は残したい。
既に二本消費している。此処で使えるのはあと6本と言う所だろう。
撃ちだされたギルガメッシュの攻撃を俺はバックステップで距離を取り、それでも狙って撃ち出されるそれをソルで弾き飛ばす。
着地して踏み出すと、それを原因に結果を操り、過程を省略する。
「御神流・射抜」
御神流の中で最長の射程を持つ突き技は、俺の能力も加味されて一瞬でギルガメッシュの眼前へと現れる必殺の一撃へと昇華していた。
「なっ!?」
戸惑いの声を上げるギルガメッシュ。
勝負は実力が拮抗していても、戦い方の違う相手との交戦はほんの一瞬だった。
両者とも防御し辛い必殺技の撃ち合いなのだ。一撃決めた方が勝つのは自明の理だろう。
果たして俺の握ったソルはギルガメッシュを貫き、その権能によってギルガメッシュは切裂かれた。
これが卓越した戦闘技術を持ち合わせた武人であったなら、きっと一瞬で目の前に現れようと反応して見せ、俺の攻撃を防いだだろう。
此処に来てギルガメッシュの敗因は近接戦闘の嗜みが至高の域では無かった事か。結果、今度こそギルガメッシュは滅ぼされ、霞となって消えていった。
イリヤのもつ聖杯へと吸収されるのだろうが、周りを漂うこの濃厚な負の魔力は既に聖杯降臨が始まっている。ここに来ては封印も意味を成さなかっただろう。
俺は素早く地面を蹴ると、柳洞寺の裏手へと周り、イリヤを助けるべく駆けた。
裏手に回って見えて物は、黒幕である言峰綺礼と戦う士郎と凛。それと聖杯として起動し、汚泥を排出し続けるイリヤの姿だ。
「くっ…やはりこうなってしまったか」
こうならないように頑張ってきたのだが、起動してしまってはサーヴァントであり霊体である俺ではイリヤに近づけない。
イリヤから溢れる汚泥に触れた瞬間、剥き出しの魂は闇に食われ、正気を
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