第九十一話
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ってこいの霊地なのだろう。
「どう?イリヤスフィールの居所は分かったのかしら?」
凛が作業を止めた俺に問い掛けた。
「いいや、見つからなかった」
「なっ…それじゃどうするんだよっ!手がかり無しじゃ探しようがない…」
俺の言葉で勝手に憤っている士郎。
「そう…何か手がかりになりそうな物は無いの?」
「何処にもイリヤの気配がしないと言うことが分かった事は収穫だ」
「それの何処が収穫だよっ」
凛の質問に答えると士郎が吠えた。
「この冬木の街で俺の力が及ばない地域が幾つか有る。何処にも感じられないと言う事は、逆に言えばその何処かに居ると言う事だ」
冬木を出ていない限りだが、それでもこの時期に聖杯の器を攫ったのだから近くに潜んでいるはずだ。
「そう。それでその場所は何処なの?」
「一番近くで可能性が高いのは円蔵山の柳洞寺だろう。あそこはどうにも俺達の力を弾く仕掛けがあるらしく探れて居ない。他にもあるが、あそこは飛びっきりの霊地なのだろう?だったら聖杯降臨の為にその場所を押さえるはずだ」
「まって、確かにあの場所は堕ちた霊脈だとセイバーから聞いたし、確かに聖杯降臨の儀式は行える。でも、それとイリヤスフィールを攫った事に関係が見当たらないのだけれど」
これは言っていいものなのか少し考える。とは言え、イリヤの救出、これがおそらくこの聖杯戦争の最後の戦いになるだろうと直感が告げている。
カンピオーネになって以降、こう言った直感は鋭くなっているために自分でも軽視できないのだ。
ならば、彼らの協力が必要だろう。
「イリヤは聖杯の器そのものだ。彼女の内に聖杯は有り、彼女が居なければ聖杯は顕現しない」
「なっ!?」
これに驚いたのは士郎とセイバー。凛に至ってはなるほどと頷いている。
「聖杯の器を作るのはアインツベルンですもの。敵のマスターに渡さない為には形あるそれを人の中に隠したのも頷ける」
魔術師が何を考えているのかなんて俺にはわからないが、事実はイリヤ自身が聖杯であると言う事だけだ。
「まって、それじゃ私達が聖杯を手にするためにはまずイリヤスフィールの確保…救出が先決と言う事ね」
「なるほど。これでイリヤスフィールの救出の理由が出来ました」
命令を待つセイバー。
攫われたイリヤを何処かで心配しているのだろうが、今回は明快な理由が出来た。イリヤを助け出す事が聖杯を手にすると言う事なのだから。
「そうね。そう言えばチャンピオン、あなたは余裕そうにしているけれど、マスターからの魔力供給なしでどれくらい現界出来るの?」
そう凛が問いかけて来た。
「単独行動Aを持っているから、戦闘をしないのであれば一週間は現界できるだ
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