第九十一話
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は見当たらない。気絶させられているだけだろう」
「イリヤスフィールは?」
凛がそう問い掛けた。
「見当たらない…」
「そう…セイバー、すぐに士郎を連れてきて。少しでも情報が欲しいわ」
「では凛も一緒に」
「私の足ではあなたの足手まといにしかならないもの」
「チャンピオンの前に一人では置いておけません」
「いいから行くっ!」
凛に激昂され逡巡するセイバー。
「いや、いい。俺が士郎を転送した方が早い」
「なっ!こんな大規模魔術を使ってなお転移魔術まで…あなた…」
魔力は大丈夫なの?と言いたげだ。
「問題は無い」
『ロードカートリッジ』
サーチャーで位置を特定しているので遠距離から転移魔法を行使。彼をこの屋敷へと転移させる。
「シロウっ!大丈夫ですか」
そう駆け寄るセイバーに彼の事は任せて俺はイリヤの捜索を続ける。
ぐっとセイバーは士郎に当身を食らわせて気付けをすると、若干のうめき声を上げた後士郎は気がついたようだ。
「よかった士郎。無事ですね」
「セイ…バー…ここ…は?」
「ここはあなたの屋敷です」
意識がまだ霞むのか、返答もしっかりしないが、それも一瞬。すぐに血相を変えたように叫ぶ。
「そうだ、イリヤがっ!…イリヤはどこだっ!」
「それはこっちが聞きたいわね衛宮くん。気絶させられていたようだけど、一体何が有ったの?」
そう冷静に凛が士郎に問い掛けた。
「それは…」
話を聞けば、デートの終わりごろに橋の袂の公園へと寄ったらしい。
そこで他愛の無い話をしていた所、ランサーが行き成り士郎の背後に現れ、槍を突きつけたらしい。
冬の公園、時間も夕方になれば人の通りはほとんど無かったという。
彼の目的はイリヤの誘拐…いや、聖杯の確保だったのだろう。
士郎を人質に取られたイリヤは士郎の命と引き換えに自らランサーへと降った。
後は後ろから衝撃が走り気を失ったから分からないと士郎は言う。
疑問なのはどうしてイリヤが自ら降ったという情報と、何故俺を呼ばないのかと言う事だ。
意識があれば俺を呼べる。令呪があれば何処からでも駆けつけられるというのに…
そのイリヤはまだ見つからない。
新都をくまなく探したが見つからず、すでに何処かへと連れ去られてしまったようだ。
七発。カートリッジを消費した所で見つからない事を受け入れた。
彼女を攫ったのなら何かアクションが有るはずだ。
それに賭けるしかもう方法は無かった。
それと、おそらくだが、イリヤの居るであろう場所にも見当が付く。
円蔵山。ここが今回の聖杯戦争の終着の場所だ。
聖杯を降臨させるにはも
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