第九十一話
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もかく、士郎も魔術師の端くれなら等価交換の約束はちゃんと履行しなさい。これは師としての命令」
「遠坂……わかったよ。でも急に言われてもデートのプランなんて立てられないぞ、俺」
「そんなのは別にいいよ。シロウが連れてってくれる所ならどこでも」
と、イリヤ。
「そうか?なら安心か。あんまり期待しすぎないでくれ。俺だって誰かとデートした事が有るというわけじゃないんだから」
「そうなんだ。シロウは女の子の扱いは上手だと思っていたのだけど」
「ずぶの素人だ」
「そっか。じゃあお互い初めて同士だね」
「ああ。お手柔らかにたのむ」
そんな感じで二人のデートは決まったようだ。
簡単な準備を済ませるとイリヤと士郎は出発するようだ。
「チャンピオンはここに残ってて」
「なっ!?それではイリヤを守れない」
食って掛かる俺。当然霊体化してついていくつもりだったのだ。
「だめ、これは命令よ。イヤなら令呪を使うわ」
「くっ…しかしなぜだイリヤ」
「多分これが最善だと思うから」
何が最善なのかは問い詰めても答えてくれない。まぁ、令呪で呼べばイリヤの側へと瞬間移動は出来るだろうから、ランサーに会ったら絶対に呼ぶ事と念を押すとしぶしぶと引き下がった。
仲の良い姉弟のような二人が坂を下っていくのを見送る。
「中に戻りましょう、セイバー。チャンピオンもどう?お茶くらい出すわ」
「リン、良いのですか?」
「良いんじゃない?イリヤもチャンピオンも此方に対してこれっぽっちも敵意なんて感じないのはセイバー、あなたが一番分かっているでしょう」
「ええ…まぁ」
しぶしぶと頷くセイバー。
「まぁ待機を命じられてすることも無い。お茶で時間を潰しているか」
相手のマスターとサーヴァントからも敵意が無くなったので、奇妙だがお茶に呼ばれることにした。
衛宮邸の屋敷は平屋の一軒立ての脇に廊下が繋がるように離れが立っている。
通されたのは畳張りの居間。
座布団に座ると正面にセイバーが構える。少しすると凛が茶器を持って現れた。
香るのはそこそこの値段であろう紅茶の香りだ。
カチャリと俺の前にカップを置く。
「ごめんなさい。この家は紅茶に合うお茶請けのストックは無いのよね」
無いのなら日本茶にでもすればよい物を、英霊が西洋の者だと思っている彼女の失態か。
一口飲むと、確かに何か甘いものが欲しくなる。
「ソル」
『プットアウト』
ソルから現れたのは小袋ほどの包みだ。それを取り、家主代理の凛へと渡す。
「悪いが、これを出してくれないか?」
「いいけれど。これは?」
「ただのクッキーだ」
何だろ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ