第九十一話
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残りのサーヴァントは3騎。聖杯戦争も大詰めを迎えた今日この頃。
今日は昼間から車を走らせて冬木の住宅街へとやってきていた。
武家屋敷風の塀の前に駐車すると、後部座席のイリヤを降ろす。
「ふーん、ここがキリツグが住んでいた家か…魔術的な守りはほとんど無いわ。侵入者に対する警報くらいかしら」
と呟いたイリヤは少し感慨深げに門をくぐる。
鍵はどう言う訳か開いていた。
一歩その家に踏み入れた瞬間、疾風のように現れた完全武装のセイバー。
「イリヤスフィールにチャンピオン…今ここで決着を付けようというのですか」
「えー?真昼間から聖杯戦争はやらないんだよ」
「では何をしに来たと言うのです」
「それは…」
と、その時。後ろから駆けつける士郎と凛の姿があった。
「っ…セイバーっ!」
「シロウ、下がって」
「一体誰よ、こんな真昼間からっ」
シロウは心配そうな声を上げ、凛は悪態を付いている。
「なんだ、イリヤか」
「なんだじゃないでしょっ!良い、今は聖杯戦争中なの。敵のマスターがサーヴァントを引き連れてやってきたのよ」
「そうかもしれないけど。イリヤにその気は無いみたいだぞ」
「へ?」
士郎に諭されて再び此方へと注視する凛とセイバー。
そこにはけしかけるつもりが無いのか、ほわんとただ立っているイリヤの姿があった。
「今日は何の用なんだ?イリヤ」
「そうね。特に用があった訳じゃないけど、シロウとデートする約束があったから、今日行こうと思って」
「まてイリヤ、それは聖杯戦争が終わった後の話だろう」
「そうだったかしら?忘れちゃったわ。でもそうだったとしても聖杯戦争が終了するまでシロウが生きているって保障も無いのだから、対価は今のうちに貰っておかないとね」
「なっ…」
なるほど。
約束は確かに聖杯戦争後だった。しかし、聖杯戦闘は基本が殺し合いだ。だったら確かに支払いが出来なくなる事も十分に考えられる。
「良いじゃない。二人でデートして来れば」
「リン、良いのですか?」
「あの子に敵意は無いみたいだし、良い?分かっていると思うけれど、チャンピオンが居るのにマスターが対面している状況ではすでに私たちに勝ち目は無いの」
「それはリンの所為でしょう」
「うっ…まぁ確かにもう少し注意深く行動するべきだったわ…反省」
セイバーに言われて凛がシュンとうなだれるが、直ぐに復活したようだ。
「まぁ、こんな真昼間から事を荒立てるようなマスターはもう居ないでしょう。ランサーとそのマスターは聖杯戦争のルールを良く分かっている奴みたいだし、人の大勢居る所は安全だと思うわ」
「ですが…」
「と
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