魔法先生ネギま!
0332話
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の所に炎の塊が現れた。炎の大きさとしては、通常の紅き炎クラスのものでそれなりに大きい。
「きゃっ、ちょっ、ちょっと!? 止まって、鎮火、鎮火ぁっ!」
その炎を見て慌てる円。すると次の瞬間には燃えさかっていた炎が突然空気に溶けるように消え去る。
「ふむ、やはりアーティファクト名通りに炎を操る能力か。純炎とあるから、恐らく純粋に炎しか操れないのだろうが……腕輪の効果は分かった。だが、足輪はどういう効果なんだ?」
「足輪? えっと……キャアアアァァァァッ!」
足輪の効果を確かめようとした円だったが、次の瞬間には何と足輪に拳大の小さな炎が宿り、そのまま上空へと上がっていったのだ。つまりは……
「空を飛んでいる?」
唖然と美砂が呟く。
そう、美砂の言う通りに円はその足輪に炎が宿りそのまま上空へと飛んでいったのだ。
「キャアアアアッ! ちょ、ちょっと、これどうすればいいの!? アクセル君助けてぇっ!」
「だ、そうだぞ?」
ニヤリとしたエヴァを見て溜息を吐き、地面を蹴って落下しそうな所で瞬動を発動、発動、発動。そのまま空中を跳ね回り、円が俺の手の届く範囲を通り過ぎるのを待ってタイミングを合わせて抱きとめた。
「キャッ!」
小さい悲鳴を上げる円をそのままに、地面へと着地する。幸い純炎の涙に関しては俺が円を抱きとめた時点で効果を失っていたのか、特に何事も無かったらしい。
「あ、ありがと」
最後にぎゅっと強く一回抱き、離れていく円。それを見たあやかが何かを言いそうになったが、その機先を制するかのようにエヴァが口を開く。
「どうやら腕輪は炎を操り、足輪は空を飛ぶというのが基本的な効果のようだな。……まぁ、隠されている機能とかはあるかもしれないが。次、柿崎美砂のセイレーンの瞳だな、これは恐らく歌に関係する効果だろう」
「歌?」
「ああ。セイレーンの歌声を聞いた船は沈む。簡単に言えばそんな話だが聞いた事がないか?」
「うーん、そう言えば前にユエちゃんがそんな話をしていたのを聞いたような気が……」
「取りあえず歌ってみろ。そのセイレーンの瞳の存在を意識してな」
エヴァに言われて小さく頷き、首に掛かっているセイレーンの瞳を握りしめながら美砂が歌い出す。その歌詞は何があっても諦めずに、己の誓いを貫き通せ、というような一昔前に流行った歌だ。以前一緒にカラオケに行った時も歌っていたので幸い俺も覚えていた。
その歌声はさすがコーラス部所属というべきか、堂に入ったものだった。目を瞑りながらその歌声を聞いていると、身体の中から力が湧き上がってくるような感覚を覚える。戸惑いながらも周囲を見てみると、エヴァを含んだ全員が同じように戸惑った顔をしているのでどうやら俺だけでは無いらしい。
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