GGO編ーファントム・バレット編ー
56.死への恐怖
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できただけで奇跡に感じられる。
横転しかけたバギーをどうにか安定させ、再度加速させる。
俺たちは、死銃の追跡からギリギリで逃げ延び、現在はサテライトスキャンを回避できる洞窟の中にバギーごと侵入し、狭い空間に三人でいる。
「まぁ、武装解除して川底に潜るよりはマシかな......」
「なんだ、そりゃ」
バギーから離れ、入り口の方をちらりと見たキリトは、俺の言葉を無視して続ける。
「潜るって言えば......あいつはどうやって君の近くに現れたんだ。しかも衛星にも映らなかったのも、川に潜ったわけじゃないみたいだしな」
「......たぶん、《メタマテリアル光歪曲迷彩(オプチカル・カモ)》っていう能力(アビリティ)」
「それがあの急に現れた能力ってわけか。あれは、透明化でいいのか?」
シノンが小さく頷く。
するとキリトが何かを心配するように洞窟の入り口に眼にやっている。
「......ここなら大丈夫、だと思う。下が荒い砂だから。透明になっても足音は消せないし、足跡も見える。さっきみたいに、いきなり近くに現れるのは無理」
「なるほど。じゃあ、せいぜい耳を済ませてないとな」
キリトが納得したように頷くと、俺の左隣に座った。
少しの沈黙のあと、シノンがぽつりと呟いた。
「........ねえ。あいつ.......《死銃》が、さっきの爆発で死んだって可能性は......?」
「ないと思う。.......トラックが爆発する寸前に飛び降りるのが見えた。.....無傷ではねぇと思うがな」
だが、それが普通のプレイヤーならの話だ。
あいつは、ハンドガン一つで俺と戦ったプレイヤーだ。そんな身のこなしをするプレイヤーがあの程度の爆発で大ダメージを受けてるとは思えない。
そういえば、あいつはあんなデカイ銃をどこに隠してたんだ。俺と戦った時は、そんな銃を持ってなかったはずだ。
「そういえば、《銃士X》は、死銃じゃなかったけど、どうしたのよ?」
仄かに苦笑いを浮かべながら、キリトが両手を頭に組んで答える。
「堂々と名乗ろうとした《銃士X》さんを、強引なラッシュで斬っちまった。......ちなみに本当は《ジュウシエックス》じゃなくて、《マスケティア・イクス》って読むらしい」
「......へぇ」
途中参加の俺には、何のことだかさっぱりだ。
「こっちも一発喰らったけど何とか倒して、スタジアムの上から南を見たら、シノンを抱きかかえながら逃げてるシュウの姿が見えたから.....それでモータープールがあるのが見えたからそこにシュウが来ると思って先に行ってたってわけ」
「俺も半分賭けだったからな。多分、キリトが先に行ってなければ今頃追いつかれてても
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