GGO編ーファントム・バレット編ー
56.死への恐怖
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む表情を必死に堪え、微笑みながら口をひらく。
「大丈夫だ、シノン。お前は、俺が.....いや、俺たちが守る」
すると車のエンジン音が辺りに響き渡り、それと同時にエンジン音にかき消されそうな声だがはっきり聞こえる叫び声聞こえる。
「シュウ!!シノン!!」
そこに見えたのは、三輪バギーに乗る黒髪をなびかせながらこちらへと向かってくる光剣使いの少年の姿が。
シュウは、急に動きを止めこちらへと向かってくる三輪バギーへと乗り込む。
「シュウ!シノンを頼むぞ」
「おう!」
キリトがシフトペダルを蹴り飛ばし、三輪バギーが道路へと飛び出し加速していく。
私は、必死でここまで私を運んでくれた少年の体にしがみつきながら震えることしかできない。
バギーは、メインストリートへと疾走しはじめた。
(逃げ.....切れる......?)
恐る恐るそう考えたが、振り返る勇気はなかった。
「くそっ、気を抜くなよ!」
反射的に後ろを向くと、モータープールから、機械の馬、ロボットホースが飛び出すのが目に映った。誰が乗っているかは、確かめる必要もなかった。
ボロボロのマントを大きくはためかせ、背中にL115を背負い、両手で金属ワイヤーの手綱を握っている。
「なん......で.....」
乗れるはずがない。たとえ現実世界で乗馬経験があっても、この世界の機械馬はそうそう操れるものじゃないと以前聞いたことがある。しかし、奴はそれを乗りこなし、バギーと同じ速度で追いつこうとしそうだ。
二〇〇メートル以上後方から迫る恐怖が徐々に具現化されていく。距離的に視認できるはずがないのだが、フードの奥の闇に浮かぶ二つの眼と、薄笑いを浮かべる大きな口がはっきり見えた。
「追いつかれる.......!もっと速く......逃げて......逃げて......!」
叫んだ。
それに応えるように、キリトはいっそうアクセルを開けた。しかしその途端、後輪の片方が障害物を乗り上げてグリップを失ったらしく、いきなりバギーが後部が右にスライドした。
喉の奥から高い声が漏れ、私を支えるシュウが反射的に体を左に倒し、バランスをとる。
左右に蛇行を繰り返したバギーは、数秒後に危うく安定を取り戻し、加速を再開する。だが、わずかなタイムロスの間に、着実に死銃が距離を詰めてきている。
廃墟を貫くハイウェイには嫌がらせのように次々と障害物が現れ、邪魔をする。
条件は追跡者も同じであるが、障害物だらけのこのコースでは、四つ足の機械馬には、わずかに有利である。しかも、三輪バギーは三人用、ロボットホースも二人用の搭乗アイテムだ。だが、片方には三人が乗っており、もう一方は一人だけ。現状ではバギーの方が、明らかに加速が
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