第8話「春休」
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らしい。だったら、星人のことをバケモノと称していれば、ガンツのこともばれずに済むのではないだろうか。
自分の中で答えを出したタケルが、彼女の問いに答える。
「……俺は今までそういったバケモノ狩りを専門にしてきた」
――あれ、答えとして少しおかしいか?
自分で答えておいて首を捻りそうになるが、その言葉を聞いたエヴェンジェリンは考えるように俯き、なるほどと呟いた。
「魔力でも気でもない、特殊な能力か武器。もしくはそういった類というわけか」
「……ああ」
――何この娘。合ってる、まさにジャストミートだよ? ……むしろそれ以上答え導かれたら俺の頭が爆弾でジャストミートだよ!
タケルが半分ほどテンパったところで、
「いいだろう、お前はなかなか使えるようだ。もし何か異変が起きればすぐにお前に知らせてやる」
と結論を勝手に出された。
「……む?」
協力というのはそういうことらしい。結局、星人を駆除するのはタケルの仕事だということだろう。いや、それどころか星人以外でも対処させられるかもしれないことを考えると、むしろ今までよりもやることが増えるかもしれない。
それに気付いたタケルが少しだけ首をかしげたのだが、エヴェンジェリンはそれを見てかすかに苛立たしげな顔を見せた。
「不満か?」
――せめて給料増やしてもらえるか、聞いてみよう。
給料が増えるかもしれないことに、どこか意欲的になった彼はすぐさま学園長に報告したくなったらしい。どこかソワソワした態度を見せだした。だが、彼女の問いに答えていなかったことに気付いたのか、逡巡する様子を見せ、躊躇うように口を開いた。
「……いや、少し用事を思い出しただけだ」
と区切り、
「スマンがそろそろ帰る」と付け加えた。エヴァンジェリンはそれに気を悪くした様子も見せず、苛立たしそうな態度から一変、ニヤリと笑みを浮かべた。
「ほう……そうか」
「ではまた。学校には出来るだけ来るようにな。絡操さんも、それじゃあ」
「はい。さようなら先生」
家を出たタケルは急いで学校へと戻るのだった。
扉が閉まり、タケルの気配が急速に遠のいていく。
「……マスター?」
エヴェンジェリンが笑みを浮かべていることに気付いた茶々丸が首をかしげる。
「茶々丸、あいつは面白いぞ。私が少し見せた苛立ちだけで私の実力に気付いて逃げたぞ。生き残ることにかけては私よりも優れているかも知れんな」
心底愉快そうな笑みを浮かべるマスターに、茶々丸は一般的な疑問をぶつける。
「……単に逃げただけでは?」
だが、その言葉に首を振る。
「あいつは臆病な訳ではない。げんに、私が最初に姿を
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