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銀色の魔法少女
第十七話 フェイト・テスタロッサの驚愕
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運ぶ。

 その行為に毒気を抜かれて、バルディッシュをしまう。

「残るジュエルシードの数がどうしても把握する必要が出てきたからさ、その確認とお願いに」

「お願い、ですか?」

「うん、君にとって悪くない話」

 わからない、この人が何を考えているのかさっぱりわからない。

 少し前まで全力で戦っていた相手なのに、今は私に協力して欲しいという。

「あなたは、一体何が目的なのですか?」

 私はその疑問を口にする。

「ん? 結構単純だよ、私は平和に暮らしたいの」

「……本当にそれだけですか?」

「うん、それだけ」

 顔を隠しているので表情は見えない。

 けれど、彼が嘘を言っているようには思えなかった。

「私が持っているジュエルシードは、四つです」

 私はそれを信じて、持っている個数を話す。

「四つ、となると残りは三つか、うん、なんとかなりそうだ」

「何が、ですか?」

「えっとね、ここからがさっきのお願いになるわけだけど、ねえ、君って広域攻撃魔法って使える?」

「ええ、できますが……」

「それを海に打ち込んで欲しいんだけど」
 
 それを聞いて、私はこの人が何をしたいのか理解した。

「……それでジュエルシードを強制的に発動させるわけですね」

「うん、そういうこと、多分それやった後は疲れちゃうだろうから、封印は私とアルフが手伝よ」

「!? アルフが、どこにいるか知っているの!?」

「うん、今ちょっと療養中」

 よかった、と私は胸をなでおろす。

「でも、療養って一体何があったの?」

「いや、それは、その…………」

 急に彼が口ごもる。何か言えないことでもあるのだろうか。

「ごめん! 今は言えない、今ちょっとイロイロと下準備の真っ最中だから」

 そう言って両手を合わせ、頭を下げる彼。

 …………何度も思うが、本当に別人ではないだろうか。

「わかりました、では今は聞きません」

「助かるよ〜、あ、報酬はそのジュエルシード全部でいい?」

「! 全部、もらっていいのですか?」

「うん、私には必要ないし……、まあ本当は私の持っていたやつもあげた方が信用されると思うけど、あいにくちょっと前に管理局に渡しちゃったからさ」

 はははと笑う彼だけど、私は納得いかない。

「わかりました、一応あなたを信用しましょう、ですが」

「ん? 何か聞きたいことあるの?」

「あなたは、本当に男性なのですか? さっきからまるで女性のような話し方をしていますけど」

 そう言うと、彼は首をかしげてこう言った。



「え? 私は最初から女の子だけど?」

 

 
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