第11話 ティオジアの憂鬱
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。クナップシュタイン、今日から卿を上級大将とする。グリルパルツァー艦隊の残存戦力4000隻を麾下に加えグリルパルツァーの無念を晴らせ。だが、今はその時では無い。いずれ機会を与えるからその時を待て。短気は起こすなよ」
『はっ!』
こうして、クナップシュタインは上級大将へと昇進し、12000隻の艦隊を率いることになった。
「よろしかったのですか?」
「予定を多少繰り上げただけのことだ、特に問題あるまい」
「と、申しますと?」
「年末の人事異動でクナップシュタインは昇進予定だったということさ、グリルパルツァーも含めてな。だから………ふむ、この際だ、他も繰り上げるとしよう」
「は?」
「シューマッハ、スプレイン、フィッシャーの三大将を上級大将に昇進させ、それぞれ12000隻の艦隊を指揮させよ。後、オダワラ要塞のアッテンフェルト艦隊もブラウヒッチ艦隊と入れ替えに本国へ戻せ」
「アッテンフェルト? アッテンボローの間違いでは?」
「……ああ、そうだった。似た名前だったから間違えたわ」
「…………」
「それは置いておくとして、年が明けたら(まだ半年近くあるが)、ファーレンハイト、ミュラー、ケンプ、パエッタの艦隊はこちらへ戻し、アフドレアス、オットー、ガーシュインの3個艦隊を代わりに派遣する」
「確かに、将兵たちの疲労や士気の面でもそれが妥当でしょう」
「派遣艦隊には戻る前に一働きしてもらうがな……」
そう、アドルフは意味ありげに呟いた。
* * *
ティオジア連星共同体の本部が置かれているティオジア星系第4惑星ティオジア。
そこで加盟国による首脳会議が開かれ、一つの議題について論議が行われていた。
すなわち、オリアス皇子率いるロアキア統星帝国(の残党)を支援するかどうかである。
ロアキアを上回る国力を持つ銀河帝国と事を構えるべきではないという意見も多かったが、実際のところエルダテミア問題で既に事を構えてしまっている。
エルダテミア共和国を共同体に加えたどころか銀河帝国の1個艦隊を司令官の戦死というオマケ付きで半壊させているのだ。
この代償は生半可なものではないだろう。
なにより、銀河帝国がエルダテミア共和国を認めていない以上、平和裏に事を収めるにはエルダテミア共和国を切り捨てることが前提となる。
しかし、それを一度でも行ってしまえば共同体内で相互不信を発生させることとなり、如いては共同体の崩壊を誘発してしまう危険性を孕んでいる。
故に、『敵の敵は味方』の論理でロアキアへの支援が決定されたのも当然の帰結と言えるだろう。
と、ここでウェスタディア王国の代表として参加しているアルベルト・アルファーニ宰相が声を発した。
「あ
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