第7話「試験―A」
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
るのか。
「さぁ、早く帰るでござるぅ」
少々甘えた声で、彼の耳元に囁いた。
その声色は彼にとって、どストライクだったらしい。
「……う……ぐう」
と、苦しそうに顔を伏せる。先程まで悪戯っ子のような顔をしていた楓だったが、その様子に一転して心配そうな顔になった。
「た、タケル殿?」
純粋に心配しているだけなのだろうが、グッと体を寄せて、結果として胸がさらに押し付けられる。そして、それがタケルをさらに追い込んだ。
「……あ」
「あ?」
「アウトォォォォォォ!!」
物凄い勢いで走り出す。
「ちょ、タケル殿!?」
だが、楓の声が彼に届くことはなかった。なぜなら
「落ち着け!餅をつ……じゃない!オチツケェェェェェェ!」
と叫びながら走っていたから。
「……?」
楓は彼の胸の中、心のどこかで置いてけぼりを食らったのだった。
楓とタケルが無事に帰ったのは、ネギたちが帰還をはたしてから約1時間後だったという。
走って一時間ほどの階段を、ミッションも含めて1時間で帰ったのだから、そのときのタケルの興奮ぶりが窺える。
その後、エレベーターから出てきたタケルが楓をお姫様抱っこしていたという事実はクラス中で絶好の噂の的になったのだが、それはともかく。
結局全員無事に帰ってきたバカレンジャーだったが、その後彼女達への罰の意味も兼ねて、ネギによる特別授業がみっちりと行われたのだった。
ちなみに、期末試験日に行われたタケルの課題も、大目に見てもらって無事合格。ネギと共に無事、麻帆良学園の正式な教師となった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ