第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第48話:言いたくないんだよねぇ……だって誰も信じない! まぁ気持ちは解るけどね
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
」
話を中座させられたウルフが、吐き捨てる様に呟く。
何がそんなに面倒なんだ?
「何って……瘋癲のイケメンですが何か!?」
「ふざけるな、そんなんで飯が食えるか! キサマは何を生業にして生きているのかと聞いているんじゃ!?」
そう……今まで自由人過ぎて、あえて訪ねなかった事柄。
だが先程までのウルフとの会話を聞くと、ある特定の職業(職種?)しか思い浮かばなくなる。
「……ブライは僕が何をしている人に見えるの?」
「な、何って……まさに瘋癲の馬鹿じゃ。まともな職に就かず、フラフラふざけて生きている馬鹿にしか見えん!」
「じゃぁそれで良いじゃん! 今更訊かなくても、瘋癲のイケメンで良いじゃん!」
「良くないから聞いてるんじゃ! 先程までの会話を聞くと、ある職業が頭に浮かぶんじゃ……しかし、それだけは絶対に認められん! 認めたくないと思うから、真実を確認してるんじゃ!」
「教えても良いけど……絶対信じないよ。みんな信じないんだもん……嘘なんか吐いてないのに、誰も最初は信じないんだよ。なぁウルフ!」
「えぇ信じないでしょうね。俺も最初は信じませんでした。『馬鹿な事を言いやがって』って思いました」
どうしよう……
不安な想像が最悪の現実へと近付いてくる。
ブライはどんな想像をしたのだろうか?
「リュ、リュカ……もしかしてお前は国王なのか……?」
恐る恐るブライが質問する。
私と同じ事を考えていたらしく、認めたくない気持ちで訊いてみる……
「皆さん……改めて自己紹介をさせてもらいます。俺の名はウルフ……グランバニア王国国王の主席秘書官を務めております」
「私はリューノ。グランバニア国王と愛人であるエルフ族のスノウとの間に生まれたリューノと申します」
「わ、私は……国王陛下と……ホビット族の騎士ピエールとの間に生まれました……」
嘘だ……
そんなはずない……
国王という職業は大変なはず……お気楽魔神に勤まる程、楽な役職じゃない!
「……どうも僕はリュケイロム・エル・ケル・グランバニア……グランバニア王国の国王をしてます。もう辞めたいけど辞めさせてもらえません」
「「「「「「「「えぇぇぇ、本当に国王なの!?」」」」」」」」
リュカ家の面子以外が大声で叫ぶ洞窟内……
リュカが一番就いてはいけない職が国王だと思う。
皆が同じ思いだからこそ、この絶叫は洞窟内に木霊するんだろう……
アリーナSIDE END
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ