第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第48話:言いたくないんだよねぇ……だって誰も信じない! まぁ気持ちは解るけどね
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ニア城の地上4階・地下2階がせいぜいだもん……そのくらいは階段を使おうぜ!」
確かに『そのくらいは……』って思うけど、それにしたって大きいお城だ!
サントハイムだって2階建てなのに……
「そうは言うけど、大きな荷物を運ぶのにこの装置は便利ですよ! あのグランドピアノを運び入れるのに、どれほど苦労したか解りますか!?」
「僕が欲しいって言った訳じゃない。ビアンカが勝手に……」
「でしょうね! リュカさんは無駄遣いとかしない人だから、自分でグランドピアノが欲しいとは言わないでしょ……でもビアンカさんからすれば、エコナ劇場での弾き語りを再度観たいと思うのは当然でしょう! しかもグランバニアの財布の紐を実質握っているのはあの人だ……大好きなダンナの格好いい弾き語りを観る為、運び入れる苦労を考えもせず購入するのは当然です!」
「え、何!? お前、ビアンカの事を責めてるの?」
「責めてませんよ! ビアンカさんの気持ちは十分解ってます。俺もリュカさんの歌を聴くのは好きですし、誰も知らない曲を教えて貰えるのは楽しいですから! 俺が言いたいのは、部下の俺達の苦労を少しでも軽減出来るシステムを取り入れてくれって事です!」
「でもさぁ……もう大きな荷物を搬入する事何て無いよ。だからエレベーターなんて必要無いよ」
「必要ですよ! グランバニアの王家の居住空間に、どれだけ空きがあるのか解ってますか? あんな閑散としてるお城は、他に類を見ませんよ……見栄えを整える為に、今後は絵画や彫刻の類を買って、城内を飾り付けましょうよ! 他国からお偉いさんを来賓として招いた時、城に何もなくて恥ずかしいんですよ……」
何だろう……話が見えてこないぞ。
いや見えてはきてるのだけど……
それを認めると、とんでもない事実が浮かび上がってくるぞ。
「お父さん。私も彫刻とかを飾った方が良いと思うわ……」
「わ、私も……」
「ほら、娘さん2人も同じ意見だ。どっかの馬鹿王子が来賓として来た時、『広いだけの貧乏屋敷だ』って言ってたんだぞ!」
「の、のぅリュカ……話の腰を折って悪いのじゃが……どうしても気になる事があるんじゃが?」
「ブライさん……申し訳ないですが、結構大切な話をしているんで、後にしては頂けませんか?」
「まぁまぁウルフ。老い先短い老人のお願いは訊いてあげようよ! ……で何だい爺さん?」
「ん、うん。今更ながら気になったんじゃが……」
「恥ずかしがるなよ! 訊くは一時の恥……訊かぬは一生の恥って言うんだぞ!」
どうやらリュカはウルフからの話を断ち切りたいらしい……ブライの横槍に嫌な顔する事なく、親切に対応している。
嫌な顔したのはウルフだ。
「お、お前さんの職業は何じゃ?」
「うわぁ、めんどくせー質問してきやがった……
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ