第百三十三話 小豆袋その一
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第百三十三話 小豆袋
信長は金ヶ崎に徳川の軍勢を入れた十一万の大軍を集めていた、その大軍で一乗谷まで進むつもりだった。
その本陣においてだ、信長は家臣達から越前のことを聞いていた。
「そうか、一乗谷に兵を集めておるか」
「ですがうって出るつもりはない様です」
忍の者を使う滝川が答える。
「一乗谷に篭もり城をあてに戦うつもりの様です」
「やはりそうか」
「はい、そこから動かず我等を迎え撃つつもりの様です」
「籠城か。援軍のあてはあるか」
「そこまでは考えていない様です」
「でjは宗滴殿が戻られてからか」
「そのうえで戦うつもりかと」
「ふむ、わかった」
信長は滝川の言葉に頷く、そのうえで家臣達にこう述べた。
「ではこのまま一乗谷に向かうぞ」
「そのままですか」
「一乗谷を囲みますか」
「そのうえでまずは攻める」
無論思いきり攻める、既にそのことも考えている。
「鉄砲を全て使って撃ち込んでやる」
「それで主の朝倉義景殿を驚かせるのですな」
竹中が信長の話を聞いて問うた。
「左様ですな」
「そうじゃ、きつい挨拶をしてじゃ」
そうした意味での攻めだというのだ、攻めといっても色々だがここでは鉄砲の斉射を以てだというのだ。
「そのうえで朝倉義景に問うわ」
「戦をするか、和すかを」
「和せばそれでよい」
信長にしても最良のことだというのだ。
「戦も無事終わる」
「若し降らねばですか」
「その時は容赦せぬ」
本格的な城攻めに入るというのだ。
「そうするぞ、よいな」
「わかりました」
竹中は信長の言葉に頷く、無論他の者達もだ。
織田家の軍勢は信長の命を待ちそれが出次第一乗谷に全軍で向かうつもりだった。信長は朝に皆が飯を食ってからそれを出すつもりだった。
だがその夜だ、信長の前に忍の装束の者が現れた。
丁度晩飯を終えたところだ、そこで前に出て来たのだ。信長はその者の流麗な目を見てすぐにこう言った。
「市につけた者じゃな」
「はい」
「それで市は元気か」
「無事四人のお子様と共に暮らしておられます」
「先におのこが生まれそこからおなごが三人じゃったな」
「左様でございます」
「早速子宝に恵まれて何よりじゃ」
信長にとっても喜ばしいことだった、それで笑顔で言うのだった。
「やはり子は多い方がよい」
「そのお言葉市様も喜ばれます」
「そうか、それは何よりじゃ」
信長も忍のその言葉に笑みとなる。
「それで市も元気じゃな」
「はい」
その通りだとだ、忍も答える。
「おすこやかに過ごされています」
「さらによい、それで今宵は何用じゃ」
「市様よりお届けものです」
「ほう、わしにか」
「左様です。ただ」
「
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