暁 〜小説投稿サイト〜
SecretBeast(シークレットビースト)
本編 第一部
一章 「出会いはいつも唐突に」
第二話「校舎裏の死闘」
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もうボクシングなんてできねえのに!
 俺はやられながらも一撃一撃を少しづつ攻撃をずらして体力を回復させていった。そして足のバネでいっきに立ち上がって相手のアゴをきれいにスマッシュで打ち抜いた。
まわりの奴らは、立ち上がったおれを見て、少しだが後ずさりする。そう色素の薄い俺の眼は怒りで感情が燃え上がってかーっと白く輝きだす。そういうときは必ず眼が自然とすわっているので結構恐ろしい形相になる。たまにボクシングの熟練者とかの人が本当に怒るとそうなるらしい。まあおれのは遺伝だが。
「どうする?おまえら、今おれの足元で這いつくばってんのがこんなかで一番強いやつだろう?いっとくが数で押さえ込もうなんて考えんなよ、こちとら少々のダメージなんかもう覚悟決めてんだ。そっちがその気なら一人づつ確実にのしてやる。どうなんだ!?やんのか!やらねえのか!」
「お、おい」
「や、やべーよ、こいつ、に、逃げるぞ」
 群れをなして逃げていく、さてどうするか。
「なあ、剣持先輩よお。ほんとはもうとっくに意識もどってますよね。あれ、怖くてうごけないんすか?ははっ下級生にビビッてんすか?いいですよ。おれもそのまま寝ててくれたほうが楽なんで、けど今度こんなことやらかそうとしたら確実につぶしますんで。それと豊村伊佐の名前使って脅迫の手紙とか意味ないんでやめてもらえますか?彼女に目が合って逃げたって話みんな知ってますから。いいか?次はねえぞ、このクズ!」
 おれの読みどおり剣持は起きていた。だがこういうタイプは一度実力で負けると心の方が折れるのをおれは良く知っている。案の定、剣持は、寝ているふりをつづけ内心びくびくしていた。校舎裏から表へ出てみるとそこには豊村伊佐がいた。顔は真剣だが、やはり余裕のある笑みでおれのことを見ていた。
「おまえ、そんなに強いのになんでボクシングやらないんだ?」
そんなことを顔中ぼこぼこの俺にまじめに聞くんで少し笑ってしまった。ってかその話し振りだと最初っから見ていたな、このやろう。
「子供のころな右目を強く殴られてな、右目のある一点だけが見えなくなってるんだ。ボクサーなら致命的なんだ。けっこうがんばってみたんだがみんな、俺の攻略法としてその一点を狙ってくるんで負け続けで、ジムのおやっさんが身を切るような思いでボクシングやめろって言われてな、あの人にいわれちゃ、どうしようもなかった」
「そうか、それで、なのに私の名前を使った脅迫の呼び出しに答えたのか?」
「ああ、まあな」
「なんでだ?私はあんな奴ら全然平気だぞ?おまえがぼこぼこになる必要はないんだぞ?」
「バーカっ!俺が許せなかっただけだよ。女の名前使って男じゃねーんだよあいつら」
「やっぱり面白い」
「おまえなあ、この顔を見ながらそれはひでーよ」
「ん、そうだな、ならなにか一つおまえのい
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