第1話「新たなる世界」
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「あ・・・・あぁ、ありがとな。梨花ちゃんのおおかげで痛みが引いてきたぜ」
「わぁ〜、梨花ちゃん、おっはよ〜ぅ!」
「・・・・レナにおはようございます。みんなもおはようございますです」
取り敢えず、私はぺこりと頭を下げて挨拶した。表の梨花では、こうでもしないとダメだからである。そうしないと、レナに勘付かれるからだ。
「梨花ちゃんはいい子だよなぁ・・・。それに比べて沙都子・・・!!」
圭一は沙都子を睨みつける。沙都子は口笛を吹きながらわざとらしく目線をそらしていた。
「私、いい子でございますのことよ?」
「いい子はこんな凶悪な罠は仕掛けないぞ!」
「言い掛かりでございますわぁ!何の証拠があって・・・ふわっ!」
圭一は沙都子の後ろ襟を掴み上げ、軽く持ち上げていた。それは、猫を持ち上げるような姿である。
「ごめんなさいって言ってみろ。言わないならぁ・・・・!」
圭一は右手でデコピンを作り、沙都子のおでこにデコピンをしようとしていた。私は圭一を止めようとした瞬間、見慣れた人物が圭一の肩を掴んでいた。
「むぅ、やめなよ。圭一。さすがにやりすぎだよ」
「そうですよ。圭ちゃん、流石に私の可愛い妹に手を出すなんて、最低ですよ」
え、何で悟史がいるの・・・・。どの世界でも、悟史は昭和57年に失踪する。ほんの少しだけであるが、悟史が失踪しなかった世界も存在したが、ハッキリ言って最悪な世界である。その世界は、叔母殺しに部活メンバーのほとんどが協力した世界である。まさか、この世界もその類なの・・・!?
「あのなぁ、悟史、最初にやってきたのは、沙都子のほうだぞ。お仕置きが必要だろう」
「むぅ、確かに沙都子も悪いところがあるけど、圭一はやりすぎだよ」
圭一は悟史に注意されるが、引き下がらなかった。だが、悟史も引き下がらない。沙都子は詩音と悟史の背中に隠れて、アッカンベーとしていた。それが、圭一を更に怒らせた。
「圭ちゃん、引き下がらないと、出るとこ出ますよ」
そう言うと、詩音はスタンガンを取り出す。流石の圭一も分が悪いと判断したのか引き下がる。数分後に知恵が来たみたいである。
「はい皆さん、朝のホームルームを始めますよ!!おしゃべりはおしまいです!委員長、号令!」
「「「おはよーございまーす!」」」
「着席〜!」
いつもの朝だった。少しだけ違ったのは、始まるのがほんの少し遅れたことだ。時間に几帳面な知恵は、いつも決まった時間ぴったりに教室にやってくるが、今日は珍しくほんの少し遅れた理由を理解する。
「新しい転校生の古手羽入さんです。今日から皆さんと一緒にお勉強することになりました」
私の止まっていた運命の歯車が回り始
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