第1話「新たなる世界」
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ちは教室に入り、沙都子と美代子はトラップの準備をする。この世界では、美代子って言う子も手伝うらしい・・・。私は彼女たちを眺めていた。
トラップを付け終わると、数分後にレナ達が来た。レナ達は相談しているみたいだ。圭一の話し声が聞こえてくる。数多の世界で、私の両親が綿流しの日に死ななかった世界も存在していた。多分、この世界もその類いだろうか?
「見え見えの罠だな。引き戸の上に挟んだ黒板消し。・・・見え見えだぜ!沙都子!!」
さすがの圭一もあのトラップには気がつくはずだろう。だが、それはカモフラージュに過ぎない。本命のトラップはまだ隠されているからだ。
「お見事、圭ちゃん!・・・こりゃあ今回は勝負あったかな?」
「・・・いや、相手は沙都子だ。これだけとは思えない・・・・!」
圭一は転校初日から壮絶なトラップコンボを見舞われている。流石に慎重になるだろう。沙都子のトラップは複数の罠を多彩に組み合わせ、本命の罠へ誘う誘導や、連続でヒットさせる連鎖系トラップ等がある。沙都子の親友の私でも、分からないトラップを、圭一が回避できるわけがない・・・。
「じゃあさじゃあさ、ガラガラって開けて落としちゃえばいいんじゃないかな・・・?」
「それだ!」
流石の圭一も気づいたみたいだ。圭一の注意を上に引きつけ、引き戸に手をかけさせることには気がついたらしい。引き戸には、手をかける部分にガムテープと画鋲で、恐ろしい罠が仕掛けられている。だけど、圭一・・・、まだまだ百点満点ではないわよ。
「見事なコンボだ沙都子!だが所詮はガキの浅知恵だったな!」
圭一は勝利を確信し、画鋲の仕掛けられていない部分に手を掛けてガラリと扉を開いた。そして眼前を黒板消しが落ちるのを見届けて、教室に飛び込んだ。
圭一の足に縄跳びを足に引っ掛け、綺麗に転んでいく・・・。
「圭ちゃん、避けてっ!!」
魅音の鋭い声に、圭一は反射的に身をひねって床に倒れる。
「・・・・・ぃてて・・・てっ!?」
圭一の転ぶ予定地点に墨汁の入ったすずりが置かれているのが、本命のトラップよ。圭一が身を捻らなければ、圭一の魚拓が完成していたわね。
「あらあらこれはこれは、おはようございますですわ圭一さん。朝から賑やかですわねー!」
無様な格好で倒れている圭一を、沙都子は小馬鹿にしている。
「一段とスペシャルなトラップワークになったじゃねえか、沙都子!!」
「あらあら。私(わたくし)、何のことかわかりませんわよ。朝からついていませんねぇ」
圭一は、転んだ時に腰を捻ったみたいだ。妙な角度に転んでいたからね。仕方ないわね。私がいつもの圭一にしている事をするか。
「・・・・圭一の痛い痛いの、飛んでいけなのです」
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