暁 〜小説投稿サイト〜
ひぐらし 幸せ満し編
第1話「新たなる世界」
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ちは教室に入り、沙都子と美代子はトラップの準備をする。この世界では、美代子って言う子も手伝うらしい・・・。私は彼女たちを眺めていた。
 トラップを付け終わると、数分後にレナ達が来た。レナ達は相談しているみたいだ。圭一の話し声が聞こえてくる。数多の世界で、私の両親が綿流しの日に死ななかった世界も存在していた。多分、この世界もその類いだろうか?

「見え見えの罠だな。引き戸の上に挟んだ黒板消し。・・・見え見えだぜ!沙都子!!」

 さすがの圭一もあのトラップには気がつくはずだろう。だが、それはカモフラージュに過ぎない。本命のトラップはまだ隠されているからだ。

「お見事、圭ちゃん!・・・こりゃあ今回は勝負あったかな?」

「・・・いや、相手は沙都子だ。これだけとは思えない・・・・!」

 圭一は転校初日から壮絶なトラップコンボを見舞われている。流石に慎重になるだろう。沙都子のトラップは複数の罠を多彩に組み合わせ、本命の罠へ誘う誘導や、連続でヒットさせる連鎖系トラップ等がある。沙都子の親友の私でも、分からないトラップを、圭一が回避できるわけがない・・・。

「じゃあさじゃあさ、ガラガラって開けて落としちゃえばいいんじゃないかな・・・?」

「それだ!」

 流石の圭一も気づいたみたいだ。圭一の注意を上に引きつけ、引き戸に手をかけさせることには気がついたらしい。引き戸には、手をかける部分にガムテープと画鋲で、恐ろしい罠が仕掛けられている。だけど、圭一・・・、まだまだ百点満点ではないわよ。

「見事なコンボだ沙都子!だが所詮はガキの浅知恵だったな!」

 圭一は勝利を確信し、画鋲の仕掛けられていない部分に手を掛けてガラリと扉を開いた。そして眼前を黒板消しが落ちるのを見届けて、教室に飛び込んだ。
 圭一の足に縄跳びを足に引っ掛け、綺麗に転んでいく・・・。

「圭ちゃん、避けてっ!!」

 魅音の鋭い声に、圭一は反射的に身をひねって床に倒れる。

「・・・・・ぃてて・・・てっ!?」

 圭一の転ぶ予定地点に墨汁の入ったすずりが置かれているのが、本命のトラップよ。圭一が身を捻らなければ、圭一の魚拓が完成していたわね。

「あらあらこれはこれは、おはようございますですわ圭一さん。朝から賑やかですわねー!」

 無様な格好で倒れている圭一を、沙都子は小馬鹿にしている。

「一段とスペシャルなトラップワークになったじゃねえか、沙都子!!」

「あらあら。私(わたくし)、何のことかわかりませんわよ。朝からついていませんねぇ」

 圭一は、転んだ時に腰を捻ったみたいだ。妙な角度に転んでいたからね。仕方ないわね。私がいつもの圭一にしている事をするか。

「・・・・圭一の痛い痛いの、飛んでいけなのです」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ