第0話「祭囃しが聞こえない頃に」
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もう少し・・・もう少しで永遠の昭和58年6月を超えられると思っていた・・・こんな馬鹿な事があるっていうのだろうか?
目の前には追い詰められたはずの強敵である鷹野は、皆で力を合わせてやっとここまで闘ってこれたのに・・・こんな終わり方なんて信じたくはなかった。
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「あははははははははは!!」
狂ったような笑い声が聞こえる。その声の主は、憎き宿敵である鷹野である。こうなった経緯を話そう。
古手梨花は彼女が惹き起こす100年にもわたる惨劇を破る為に、今日まで仲間達と共に闘ってきた。その私を殺し、雛見沢大災害という名の終末作戦を発動する事が、それが鷹野と彼女が率いる山狗達の目的である。
この惨劇を破る為の、人選は間違っていなかったはずだ・・・
口先の魔術師、前原圭一
勝負師で、部活の部長の園崎魅音
その妹、園崎詩音
トラップ使いの北条沙都子
かぁいいモードの竜宮レナ
期待の新人と呼ばれ、私と百年を過ごしてきたオヤシロ様こと古手羽入
そして、100年の魔女である古手梨花
その他にも仲間が多数駆けつけ、私たちはこの最後の世界・・・ここでは祭囃しのカケラと呼ぶべきだろう・・・今度こそ皆で笑って過ごせる世界を手にできる・・・はずだった。山狗をトラップだらけの裏山で撃破した後、山狗の指揮官である小此木という男が自分達の負けを認めた。ここまではまだ良かったはずであった・・・
鷹野はまだ負けていないと喚くも、明らかに古手達は勝利を確信していた。もうこれで全ては終わったのだと思っていた・・・その後の事だった。
「ぐぁぁっ・・・!」
突如、小此木の頭に、鷹野の放った銃弾が撃ち込まれる。そしてそのまま小此木は仰向けに倒れ、死んだ私達は突然の出来事に動揺を隠せなかった
「ふ、ふははははは・・・どうせ、うすうす解っていたわ、この作戦に失敗したら私は自害することになると・・・でもそんなのは嫌よ!!」
自害という言葉に驚く。
ああ、やっぱり、東京と言われる組織は、初めから自分達の目的の為に鷹野を利用していた。それが失敗に終わったから当然責任を取らされるそれに鷹野は何となく気付き、避けようとしたのだろう。
なら、なぜ小此木に発砲した? どちらにしてもそんな必要なんてないはずだ。古手は鷹野を睨みつけ、叫んだ
「鷹野! これはどういうことですか!?」
「あはは・・・山狗は役立たずばかりだし、小此木は私の意志など関係なく降伏宣言は出すし、『東京』は私に全部責任を擦り付けるだろうしもう最悪よ・・・」
それは、とても不貞腐れたような表情で、喋る言葉も役立たずだの、余計な事をしやがってだの、自分の思い通りにならない事への憤りや恨み・・・つまり負け惜しみみたい
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