第43話 日焼けにご用心
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企画書を持ってこられても読む気にならんのだが。どうせならもうちょっと簡単に纏めてくれない?」
「いや、此処は小説っぽく小難しい感じに纏めようとしましたもので」
「あ、そう………って、そう簡単に俺が引き下がると思ったかボケェ!」
怒号と共に怒涛のアッパーカットが決まった。まぁ、至極どうでも良い話なのだが。
そんなこんなで、悪の会合が行われている料亭。しかし、其処へ駆けつけるのは何も悪だけじゃない。
今、一人こっそりと裏口に回った一人の若者が見えた。黒い制服に身を包み、腰には侍の魂とも言える刀を帯刀している。廃刀礼の中、腰に刀を挿している者と言えば浪人か、もしくは警察関係の者位だ。
そして、この男こと【山崎退】もまた、その警察関連の人間の一人なのであった。
物音一つ立てないように慎重な立ち回りをし、そっと裏口のかんぬきを外す。扉が静かに開き、開いた扉から姿を現したのは同じように黒い制服に身を包んだ集団であった。
最早御馴染み真選組の面々である。
副長の土方、一番隊隊長の沖田がいるのは勿論の事だが、その中に普段なら見慣れぬ者の姿もちらほら見受けられた。
まず目についたのは銀髪の男性だ。褐色の肌を持ち背丈も他の隊士達に比べて若干大きい。支給された制服を多少ラフに着こなしているようにも見える。恐らくサイズが合わなかったのだろう。
そして、もう一人は女性だった。ピンク色の長髪を後ろで束ねた髪型をし、鋭い眼光を持ち、手元には他の隊士達とはこれまた違った姿をした刀を持っている。
此処まで言えば分かると思うが、この二人は守護騎士のザフィーラとシグナムである。
今、守護騎士達は此処江戸に流れ着いてしまい、住む場所がないのでこうして真選組のところで世話になっているのだ。
だが、世話になってるだけでは申し訳ない、と言う訳でこうして彼等の仕事の手伝いをする事となっているのである。
「山崎、状況はどうなってる?」
「二階で会合が行われています。四人の内、商人が二名、天人が一名、それと、腕の立ちそうな浪人が一名居ます」
「上等だ、江戸に害を成す輩は即刻切り捨ててやらぁ、ザフィーラは別働隊と合流して退路を固めろ。犬一匹逃がすんじゃねぇぞ!」
「分かった」
静かに頷き、ザフィーラは他の隊士達と共にこの旅館の別の出口へと渡った。もし、取り逃がしたとしても退路を塞いでおけば逃げられなく出来るからだ。江戸に害を成す存在を見逃す訳にはいかない。
その為に自分達が居るのだから。
「よし、別働隊は退路を塞げ! 残りは1階を占拠、その後に俺、総梧、シグナムの三人で二階へ行く。手筈どおりに行くぞ!」
的確に、かつ素早く指示を送る。少しのミスも許されない。もし、奴等の会合が何かとんでもない悪事だったとしたら、それだけで多くの江戸市民が危
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