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駄目親父としっかり娘の珍道中
第43話 日焼けにご用心
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水道も通ってなさそうだ。良くそんな所に住める物である。
 まぁ、住めば都と言うことわざもある。何かして生活をしているのだろう。
「君は、何しに来たの?」
「ボール取りに来たの」
「ボール?」
 どうやら少女はそのボールと言うのが何なのか分からないらしく、仕切りに首を傾げ続けている。
「ボールって知らない? 今君が持ってるそれだよ」
「これ、ボールって言うの?」
「うん」
「ボール………どうやって使うの?」
 ボールが分からないのだから使い方が分からないのは至極当然であり。
「じゃ、私が教えてあげるよ」
「え? う、うん」
 恐る恐る頷く少女と共にとりあえずボールを使った遊びを幾つかだがなのはは教えてあげた。
 互いにボールをキャッチし合う遊びとか。ボールを空中で何度も蹴ったり頭の上でバウンドさせたりする遊びとか。
 他にも幾つも遊びを教えてあげた。気がつくと最初は軽く教えてあげるだけだった筈が本気で遊びあってしまっていたようだ。
 そして、それらが終わった後には二人揃って汗を流して大満足している状態になっていた。
「はぁ……こんな風に使うんだよ」
「へぇ……凄く面白いんだね! このボールって」
 輝く瞳で少女は自分の手に持たれているボールを見ている。どうやらかなりkのボールが気に入ったようだ。
 そんな光景をなのはもまた嬉しそうに見ている。
「良かったらそのボールあげるよ」
「良いの?」
「うん!」
 それを聞いた少女の瞳が更に一層輝きだす。どうやら相等嬉しかったようだ。
 喜んでくれてる少女を見てなのはもまた嬉しくなる。
「そう言えば、まだ名前言ってなかったね。私なのは!」
「久遠は、久遠!」
「久遠ちゃんかぁ……宜しくね、くぅちゃん」
「くぅちゃん?」
 聞き覚えのない名前で呼ばれたせいか、またしても首を傾げてしまう久遠。
「そ、久遠ちゃんじゃ呼び難いから縮めてくぅちゃん……どうかな?」
「うん、良い! 良いよ!」
「そっかぁ、宜しくねぇくぅちゃん!」
 すっかり仲良しになったなのはと久遠。ボール一個で友情の輪が深まると言うのはいかにも子供らしいと言えばらしいようだ。
「ねぇねぇ、また遊びに来ても良い?」
「うん、何時でも遊びに来てね! なのは」
「うん、また一緒に遊ぼうねぇ、くぅちゃん!」
 本当はもっと遊びたい所なのだが、このままだと辺りが暗くなって帰れなくなってしまう。なので急いで帰らないといけないのだ。
 そんな訳で無事公園に戻って来たなのはを心配な顔になった友達の皆が出迎えてくれた。
「お、おい! 大丈夫だったか?」
「全然平気だったよ! でも、ボールは見つからなかったみたい」
「そ、そうかよ。まぁ良いや、また買えば良いしな!」
 何はともあれ、こちらも一安心
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