第43話 日焼けにご用心
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だ」
要するに洋画見たさの為に折角の見せ場をふいにすると言うのだ。とことん情けない男である。
そんな訳で塀を飛び降りて一息つく銀時。何故彼が浪人達に追われているかを説明せねばなるまい。
「ぎ、銀さああああああああああああん!」
と、その前にそんな銀時を呼ぶ声がした。若い少年の声であった。
声のした方を見ると、これまた数人の浪人達に追われる少年の姿があった。白い着物に青い袴と言った井出達であり、黒い髪に眼鏡を掛けた全く目だった要素のない地味な少年こと志村新八が追われていたのだ。
「おいおい、何時になくモテモテじゃねぇか。俺はそんな趣味ねぇけど、お前そう言った姓癖の持ち主だったっけ?」
「そんな訳ないでしょ! 後ろの人達が勝手に僕の事追いかけてくるんですよぉ!」
「なる程、それじゃ後ろの人達は皆そんな姓癖の持ち主だって訳か。こりゃ逃げないと俺達の尻が危ないな」
納得するかの様に手を叩き、これまた一目散に逃げ出す銀時と新八。その際に、後ろで追いかけていた浪人達が「そんな訳ないだろうがぁ!」と豪語していたのは余談であるが。
合流した二人はそれこそ必死に逃げ回っていた。人道は勿論、狭い路地裏とかゴミ捨て場とか、そんな所を必死に逃げ回っていた。
だが、浪人達はかなりしつこい。未だに必死に追いかけてきているのだ。
「い、何時まで追ってくるんですかあの人達!」
「けっ、そんなに俺のお尻はプリチーかい? 確かに美尻にゃ自信はあるが、あんなムサイおっさん達に追われる趣味は持っちゃいねぇっての!」
勝手な事を抜かしながらも路地裏を抜けた二人。だが、抜けた際に出て来た場所は何と、車の通りの多い大通りであった。
当然車がガンガン通っている。そんな場所に飛び出したのだから当然車だって対応出来る筈がない。
運転手が突然跳び出して来た銀時達に対して真っ青になりハンドルを切る。
同様に真っ青になった銀時達が急ぎ歩道へと戻る。だが、戻って来た銀時達を待っていたのはちょっと息を切らし気味の浪人達であった。
かなり殺気をぎらつかせて刀をこちらに向けている。
「ふっ、此処までの様だな。潔く我等と勝負―――」
言葉を言い切るよりも前に側面にとんでもない衝撃を食らった。まるで乗用車に撥ねられた様な感覚であった。
だが、実際に撥ねたのは乗用車じゃなく、巨大な犬であった。そして、その巨大な犬の上には二人の少女が乗っていた。
「銀ちゃん、こっちには居なかったアルよ!」
半ば中華鈍りの喋り方をする少女。赤いチャイナ服を着ておりオレンジの髪に両端をボンボンで束ねている神楽。どうやら一同は何かを探しているらしい。
「そっちは何か見つかった? お父さん」
その後ろでは、白い柄に舞い散る桜の花びらの装飾が施された着物を着ているもう一人の少
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