第十二話・再起する転生者
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ん。
そう、俺は木刀の防御の上から左腕で殴っただけなのである。
そしてこの威力
左腕の重さも関係しているのだろう
今の一撃で兄さんは手が少し痺れたようだ。
少し辛そうに、木刀を握りしめ直している。
「よくそんな物を付けて動けるな…」
兄さんが素直に驚きを表した言葉を投げかけてくる。
確かに、兄さんの言うようにこの左腕はとても重たいのだが
これに関しては魔法というとんでもギミックでカバーしてあるのだ
ゆえに装備者であり所持者でもある俺はこの左腕の重さに影響されずに動けるのである。
これが兄さんに対する秘策の中のその一つである。
そして先程もみせた左腕による防御
これも秘策の内の一つだ。
「みずな、悪いが一気に終わらせてもらうぞッ!!」
再び兄さんが神速に高速接近で木刀を打ち込んでくるが
左腕でそれを防ぐ。
兄さんはやはり、と言った顔で再び距離を取る。
なぜ兄さんはそんな顔をしたのか
それは俺に御神流剣術の稽古をしてくれたのは兄さんだからである。
俺の御神流の動きのほとんどが兄さんの動きの劣化コピーといっても過言ではない。
だが、それだからこそ俺は兄さんが打ち込みそうな場所、距離の取り方、攻撃のクセ等が頭に刻み込まれているのだ。
対して兄さんは初めて相対する大きな腕型の武器にいまだ探りを入れている途中であり
距離をとろうにも相手が俺ゆえに取りづらく、また先程防御も出来ない事が分かったので圧倒的に不利なのだ。
無論、その隙を俺は逃さない
再び神速で距離をつめ左の鉄拳で殴りつける。
兄さんは今度は防ごうとせずに木刀でその拳を受け流した。
そして攻撃を受け流された俺に一瞬の隙が生まれる
そこへ
「もらった!」
受け流された事により無防備になった俺の体を目掛け兄さんの鋭い一撃が走った。
しかし
「何だとっ…!?」
兄さんが驚愕の表情で俺を見る
俺は木刀を体で受け止めたからだ。
兄さんの一撃は常人が受ければ胴体に受けたとしても気絶しかねないものだ。
ただそれは常人ならばである。
俺はもとよりある高町家の強靭な血を受け継いでいるし
魔力で身体能力と体の強度を強めてある。
ここまでしていれば来ると分かっている攻撃を耐える事は出来なくはないのである。
「くッ!!」
今の一瞬で自らの勝機が敗北の危機へと変化したのを感じたのか兄さんはすぐさま距離をとろうとする
咄嗟に俺の右手側からを距離をとろうとするも含めさすが兄さんだ。
しかし
それさえも俺にとっては計算の内、なのである。
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