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ヴァレンタインから一週間
第27話 龍の巫女
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得出来るような気もするのですが、抱き寄せて、その温かさや心地良さに安心してぐっすり眠るって……。

 俺は幼稚園児ですか。
 それだけ、一人で眠るのは寂しくて、心細かったと言う事なんですかね?

 この世界にやって来てからの俺は……。

【何を朝からごちゃごちゃと細かい事を言っているのです】

 突然、くそ生意気な少女の【声】が心の中に響いた。
 この声は俺の式神。ソロモン七十二魔将第七十席。魔将ダンダリオンの声に間違い有りません。

【彼女には、シノブの体調を整える為に同期(シンクロ)して貰っていたのですから、これで良いのです】

 クソ生意気な少女の【声】で、そう伝えて来るダンダリオン。
 そう。魔将ダンダリオン。その職能はあらゆる学芸を教授すること。更に遠く離れた場所に居る人間の姿を鏡……ダンダリオンの鏡に映し出す能力も持つ存在。
 つまり、声の雰囲気からは判り辛いのですが、このクソ生意気な少女は智慧の女神さまと言う事に成ります。

 ただ……。

「ダンダリオン。その同期と言うのは一体、何の事なんや?」

 どうも、不吉な予感しかしない内容を聞き返す俺。
 まして、その前の部分。体調を整える為に、と言う部分がどうにも気に成るのですが。

【シノブがヘタレでムカデなんかに負けたから問題が有るのです。その癖、無茶な事を言い出すのは判って居たから彼女にシノブと完全に同期をして、オマエの霊道を活性化して貰って居たのです】

 霊道の活性化。完全な同期。
 同期と言うのは、基本的には意識を完全に同調させる行為の事を指すのですが……。但し、俺が眠って居る間に意識を同調させる事はおそらく不可能。
 ならば、其処に至るまでの前段階。

「呼吸を合わせて、鼓動も合わせたと言う事か」

 どちらに問い掛けたのか判らない質問に対して、
 有希の方は、相変わらず俺の腕の中からやや上目使いに俺を見つめた後に、微かに首を上下させ肯定を示し、

【肯定。鈍いシノブでも、偶には真面な答えを返す事が出来たと言う事ですか】

 相変わらず口が悪く、更に一言多い黒い少女神の【声】が聞こえて来る。

 しかし……。

「成るほど、俺がムカデの毒に倒れてから、ずっとそうやって、俺の霊道を活性化させる事で回復を早めてくれていたのか」

 伝承に伝えられて居る化けムカデと龍の関係は、一方的にムカデの方が龍を捕食する関係で、龍がムカデを退治したと言う話は聞いた事が有りません。
 それぐらい、龍に取ってムカデの毒と言うのは危険な存在だと言う事です。

 その毒を全身に浴びた俺が、逆に言うとたった三日程度で回復した事の方が不自然だったと言う事ですから。
 生命を繋ぎ留めるのは確かに蘇生魔法が存在するから可
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