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駄目親父としっかり娘の珍道中
番外ネタ その1 苦労して得た物はどんな下らない物でも素晴らしい
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「ん、プゥちゃんが何か言ってるよ」
「何て言ってるんだ?」
「ちょっと待ってね」




     ***




 二人残ったデルデと老人はせっせと町の復興を行っていた。
 かつての美しい星に戻す為に。しかし、土地や建物は戻せても、死んでいった人達を戻す事は出来ないのだ。

「よぉ」
「あ、あんた達は!」

 そんな二人の元に、土方となのはは戻って来た。デルデの顔に輝きが戻る。

「も、もしかして!」
「あぁ、ブリーザは倒したよ。あいつなら今頃部屋で引きこもって膝抱えて泣いてるだろうよ。それより……」

 真剣な面持ちで土方がデルデを見る。仇を討った。となれば、もう彼と会う事はないのだ。

「お前、さっきの煙草を親父の形見って言ってたな」
「うん」
「それ、もう必要ないぜ。何故なら、あれはもう形見じゃなくなるんだからな」
「そ、それって……もしかして、父ちゃ……」

 そう言い掛けたデルデの目の前に現れた者。それは確かにデルデの父であった。
 但し、全身ヌメヌメの状態ではあったが。
 そんな父を見て、デルデと老人は凝固した後、激しく激怒した。

 何所が父ちゃんだぁこのズルズルゥゥ! いや、ズルズルじゃなくてヌメヌメェ!? 死者を冒涜するとは貴様何所まで罰当たりなんじゃぁ! いや、こっちも結構命がけだったんだけどぉ! ねぇ、この煙草もう形見じゃないから貰ってって良い〜? お前は煙草より俺の心配しろおおおおおおお!




     ***




 すっかり日も沈み、夜になった江戸の町。昼の顔があれば夜の顔もある。
 そんな訳で、遥か遠い宇宙からようやく一本の煙草を携えてスナックに凱旋したなのはである。

「ただいま〜、キャサリンさん煙草買ってきたよぉ……あれ?」
「あれま、一足違いだったねぇ。キャサリンだったらあんまり遅いってんで自分で買いに行っちまったよ」

 店内に居たのはお登勢と馴染みの客しかいない。どうやらキャサリンは自分で買いに行ったようだ。

「なぁんだ、折角苦労して買ってきたのに」
「そりゃ災難だったねぇ」
「うん、本当に大変だったんだよぉお登勢さん」

 カウンターに座り、苦労して手に入れた煙草の入っているケースを見せる。
 結構洒落た作りの箱だったのでお登勢もちょっぴり驚いていた。

「なんだいこりゃ? 煙草だけなのに偉く小洒落た箱じゃないのさ」
「世界に一本しかない煙草なんだって。本当はキャサリンさんにあげようと思ったんだけど、居ないからお登勢さんにあげる」
「おや、良いのかい? 世界に一本しかないのを私が吸っちまっても」
「勿論」
「そうかい、あんがとうよ」

 嬉しそうになのはからそれを受け取り早速吸
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