番外ネタ その1 苦労して得た物はどんな下らない物でも素晴らしい
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込みやってるんだけど。欲しいんだったら自分で買って来てよ。キャサリンさん暇でしょ今」
「ザケンナヨゴラァ! テメェノヤッテル仕事位私ニダッテ出来ンダヨゴラァ!」
「えぇ〜、だってキャサリンさん以前これ教えたけど全然出来なかったじゃん。返って面倒臭いからキャサリンさんが自分で買って来てよ」
案外気付かないと思うのだが此処の店での働いてる経歴は実はなのはの方が案外長いのだ。
生憎まだお子様な為に夜の仕事はさせて貰えてないのだが、その分昼の仕事は一通りこなせるのである。
それに比べて、キャサリンは夜の仕事は出来るのだが如何せんこう言った仕込みの類が下手ならしい。
その上年上と言う事もあってか時折なのはをこうしてパシリに使おうとしているのである。
「良イカラ行ッテ来イッツッテンダロウガコノ小娘! ホラ、釣リハ全部ヤルカラサッサト買ッテ来イヨゴラァ!」
「え、お釣り貰って良いの? じゃ行って来る!」
其処は子供ならしい。小銭だけで後輩に使われる哀れな先輩の風景でもあった。
右手に千円札を握り締めたまま、なのははスナックを飛び出し広いかぶき町の中で煙草を手に入れる長い長い旅が始まったのであった。
「長い長いって言ってもどうせそこら辺で煙草買えば良いし、でも最近煙草高いしなぁ……普通に買ったんじゃお釣り全然貰えないし……」
なのはの幼い思考がフル稼働しだす。どうすれば如何に沢山お釣りを手に入れられるのか?
どうすれば格安で煙草を手に入れられるのか?
そして、その答えは案外すぐに浮かび上がった。誰も思いつかないような方法で。
「そうだ! 土方さんに1箱分けて貰おう。そうすれば煙草買う必要もないから千円丸まる私の物になるし!」
自分自身ナイスアイディアだと思っているだろうが、その土方からして見れば溜まった物じゃない。
だが、今のなのはにとって土方がどうなるかと言うよりも手元にある千円札の方が遥かに大事なようだ。
「さて、そうと決まったら急いで真選組屯所に向わないとね」
急いで買い物を終えて仕込みに戻らねばならない。でないとキャサリンでは仕込み出来ない上にろくでもない代物を作ってしまいそうに思える。
その前にとっとと煙草を買って帰って仕事に戻らねばならないのである。
そんな時であった。道中の何の変哲もない電柱。普段なら其処に目などやる事はない筈なのだが。
その電柱にふと目が行ってしまった。
何故なら、その電柱に向かい、これから会いに行こうと思っていた土方が必死にヘッドバットをかましていたからなのだ。
額から血を噴出し、血眼になってまでも必死にそれを行っているのだ。
「あ、土方さんだ!」
「け、煙ぃぃぃぃ! 煙を吸わせろぉぉぉぉぉ!」
名を呼んだ
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