暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第42話 生魚は醤油をつけて食べろ!
[10/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に勝負を挑み見事に惨敗した店が殆どだという。
 彼の名は味吉。その名前以外一切の素性が分からない謎多き無敵の包丁人味吉なのだ。
「この船盛り! 盛り付け方に若干幼さを感じるが、それ以外はどれも一級品の腕前を持ってやがる。こんな上等な船盛りを作れるようになるにゃ最低でも30年は修行しなきゃならねぇ。そんな上等な料理人がこんな場末の回転寿司にいる。それを聞いただけで俺の腕がブルって来ちまってなぁ。お宅の料理人と、勝負させてくんなぁ!」
(いきなりこんな展開かよおおおおおおおおおおおお!)
 一同の心の叫びであった。最悪であった。
 何故なら、この船盛りを作ったであろう達人達は現在爆睡中なのだ。恐らくテコでも起きないだろう。
 其処へ来てこの面倒くさい奴が出てきてしまった。さぁてどうするか?
「条件は今までと同じだ。俺と勝負して、俺が勝ったらこの店の看板を貰う。逆にお前等が買ったら、俺は無条件でこの店に腰を据えて働いてやる。どうだ? 悪い条件じゃないだろう?」
「ちょ、ちょっと待っててくれ!」
 タイムを掛けて、銀時達は集まる。
(おい、どうすんだよ。あんな奴相手に俺達で対抗出来るのか?)
(無理無理、相手はあの無敵の包丁人味吉ですよ! 僕等が束になって掛かったって勝てませんよ!)
 弱腰になっている新八。彼も知っているのだ。味吉の料理の腕前を。彼はかつて、幾多の強豪を打ち負かしてきているのだ。
 料理の鉄人29号と仇名す鋼鉄の料理人。料理王と名をなす料理界の帝王。他多数。とにかくとんでもない輩を彼は叩きのめしている。今この江戸で彼に対抗出来る人間は恐らく居ないだろう。
 そんな味吉が勝負を挑んできた。
(どうする。適当な理由を言って帰って貰うか?)
(いや、これはチャンスだ! 此処で味吉を店に入れたとあっちゃ俺は店の昇格間違い無し! 俺の立身出世の大チャンス。下手したら一気にかつての地位へと返り咲けるかもしれねぇ)
(夢みたいな事言ってんじゃねぇよ。相手見ろ相手を! 俺等が束になっても勝てないって相手なんだぞ! どうすんだよ?)
(確かに勝てないかも知れない。だが、例え99パーセント勝ち目がなくても、残り1パーセントの可能性に、俺は全てを賭けてみたいんだ)
(何所の伝承者だよてめぇは!)
 どうやら長谷川はやる気満々のようだ。すると、その思いに釣られて守護騎士達もやる気を見せ始めてきた。
(私も力を貸すぞ長谷川。烈火の将たる者敵に背中は見せられん!)
(あたしも手を貸すぜ。何か面白そうだしな)
(うむ、我等は主を守護する存在。だが、同時に騎士でもある。例え負け戦と言えども、戦わねばならぬときがあるのだ)
(やりましょう。私達が力を合わせれば、きっと出来ますよ)
(お前等。その前に料理出来るのか?)
 率直な疑問
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ